基本的な対策を学ぶ

睡眠時間と質

健康にとって、睡眠がきわめて重要であることが様々な研究から明らかになっています。

睡眠の効用として、脳や体の疲れを取ることが挙げられますが、そのほかにも睡眠中に成長ホルモンが分泌されていることが知られています。成長ホルモンは古くなった肌や体組成の修復や脂肪の燃焼を助ける働きなどがあります。

 

ヒトの生体リズムは約25時間の周期で動いており、このずれを調節するのに重要なのが“光”です。起床時に“光”を浴びることで体内時計がリセットされるといわれています。そのほかにも朝食は脳にエネルギーを供給し、体のリズムをととのえるために大切です。体内時計のリセットには、バランスのとれた食事、朝食までの絶食時間が長いこと、朝食の量が多いことが要点であるとされています。

 

眠る直前まで明るい光を浴びていると、メラトニンの働きが抑制されることも知られています。メラトニンとは、ヒトを眠りへと導いてくれるホルモンで、そのほかにも抗酸化作用などアンチエイジングに効果的な物質であることがわかってきました。照明の中でもとくにブルーライトと呼ばれる青色の強い光がメラトニンの分泌を抑制することがわかってきました。夜間はなるべく暖色系の光に調節するのが良いとされています。

また質の良い睡眠をとるために、昼間の居眠りを少なくし、覚醒反応をきたすカフェインやニコチン、テレビや携帯電話の視聴を控えることで入眠がスムーズになるともいわれています。

引用)第3版 アンチエイジング医学の基礎と臨床