老化の原因を知る

紫外線によるダメージ(光老化)

生まれて以降、ずっと紫外線にさらされている肌

紫外線を長年浴び続けることで、シミ、シワ、たるみなどを引き起こしてしまいます。
これを「光老化」といい、紫外線は肌に最も悪い影響を及ぼす原因となります。
顔と比較して腿の内側やお尻などほとんど紫外線に当らない部分は若い人の肌も歳をとった人の肌もそう変わらない状態です。これにより紫外線がどんなに肌にダメージを与えているかがわかります。

肌に悪影響を及ぼす紫外線には、UV-AとUV-Bがあり、その作用には違いがあります。

太陽光線の種類と性質

太陽光線は、紫外線(UV)、可視光線、赤外線(IR)の3つに別れます。このうち、光老化に最も大きな影響を与えているのが、紫外線です。
また、可視光線の一部であるブルーライトや近赤外線(NIR)も光老化に関係しています。
紫外線には、A紫外線(UVA)とB紫外線(UVB)があり、波長が長いほど皮膚の奥に入り込むという性質があります。
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UV-A

UV-Aはメラノサイトを活性化して黒くなる日焼け(サンタン)を起こすもので、UV-Bと比べてそれほど急激な作用はありません。しかし知らず知らずのうちに光老化を促進させている主因は実はUV-Aなのです。紫外線の中でUV-Aは波長が長いため雲や窓ガラスも通り抜け、晴れた日にしか心配がいらないUV-Bよりも20~30倍の量が私たちに注がれています。そしてUV-Aは肌の真皮にまで到達し、肌のはりを保っているコラーゲンとエラスチンという2つの繊維を壊す酵素を増やして、コラーゲン繊維は小さく切断され、エラスチンは変性されてしまいます。このため皮膚は弾力を失ってたるみ、ひだができ、シワを発生してしまいます。また皮膚の細胞を遺伝子レベルで傷つけるほか、皮膚の免疫力も低下させます。
「シワができる仕組み」こちら

UV-B

UV-Bは肌の表皮にあるメラニン細胞を活性化させて多量のメラニンを生成させる作用があり、日焼け(サンバーン)をさせるものです。エネルギーが強く、表皮細胞の遺伝子に傷をつけるのでシミや皮膚ガンの原因になります。波長が短いため肌の真皮にまで直接は届きませんが真皮にある肌のハリを保っているコラーゲン繊維を壊すコラゲナーゼという酵素の働きを高めて、間接的にシワの原因になります
「シミができる仕組み」こちら

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「光老化」を避けるために今すぐできること

日常すぐできる紫外線対策

紫外線の本当の怖さは浴びてすぐ起こるサンバーンではなく徐々に蓄積されてくる光老化なのです。皮膚の老化は加齢よりも光老化のほうが要因は大きいことが近年わかってきており、1年中の紫外線対策は皮膚の老化に対して必須条件です。
「紫外線環境保険マニュアル2020(環境省作成)」では、以下のような紫外線対策を示しています。
(1)紫外線の強い時間帯を避ける
(2)日陰を利用する
(3)日傘を使う、帽子をかぶる
(4)袖や襟のついた衣服で覆う
(5)サングラスをかける
(6)日焼け止めを上手に使う
参照:紫外線環境保健マニュアル2020 – 環境省(PDF)

サンスクリーン剤の選び方・使い方

肌の光老化を防ぐ(しみ、しわ、たるみをつくらない)ためには、日焼け止め(サンスクリーン剤)を日常的に使用することが大切です。

サンスクリーン剤(日焼け止め)の使い方のポイント
(1)UVBとUVA両方に、できれば近赤外線(NIR)にも有効なものを選ぶ
(2)SPFは15以上、PAは+以上のものを使う
(3)少し厚塗りになるように塗る
(4)汗で流れたりしたら、塗り直しをする

SPF(サンプロテクションファクター)とは
UVBを防ぐ効果を示し、最大50+の製品があります。
SPF15とは、たとえばUVBを浴びると10分で赤くなる人が10分×15=150分、つまり塗らない場合に比べ15倍赤くなるのを延ばせるということです。
PA(プロテクショングレイドオブUVA)とは
UVAを防ぐ効果を示し、最大PA++++の製品があります。

執筆:アンチエイジングネットワーク事務局

(出典・「光老化」啓発プロジェクト委員会)