アンチエイジングニュース

こころとからだ、そして、かおり

「みずみずしい新緑に囲まれて、自然と呼吸が深まり、心身がリフレッシュする」
「一服の清涼剤のようなペパーミントの香りで、ひんやりと、爽快な気分になる」 
「どこからともなく漂う、甘い金木犀の香りに、秋の訪れを感じる」
「柚子の香りに、どこか、懐かしい気分になり、ほっと、こころも温まる」

緑の森林

植物の「香り」を通じて、スイッチが一瞬で切り替わったり、ほっ、と心がほどけたり。
呼吸、体感温度、心拍数など、体にも、心地のよい変化を感じられたり。
皆様も、このように、四季折々の自然のもたらす香りが、「心と体」に影響をもたらす経験を、様々なシーンで体感されてらっしゃることと思います。

 

実は、この、”自然の香り”による心身への影響が「アロマテラピー」のベースとも言えます。

 

前回の記事では、「嗅覚」の特性を生かし、植物の100%天然の芳香成分である精油(=エッセンシャルオイル)を用いて、心身のバランスをサポートする代替療法「アロマテラピー」について書かせていただきました。

 

鼻から入った、精油の香りの分子は、鼻腔を通り、嗅細胞に届き、嗅覚受容器を刺激します。
香りの情報が電気信号となり、まず、本能・情動・記憶・欲求などを司る大脳辺縁系に伝わり、無意識のうちに、人の「感情や行動」にはたらきかけています。

 

また、香りの情報は、自律神経系・内分泌系・免疫系を支配する視床下部や下垂体にも伝達され、交感神経と副交感神経のスイッチが切り替わったり、セロトニン、オキシトシン、エンケファリン等のホルモン分泌を促したり、女性ホルモン分泌の調整をしたり、と、私たちの心と体の各器官の機能に働きかけます。

 

植物の香りのチカラ

では、なぜ、アロテラピーでは「植物の100%天然の芳香成分である精油」を用いるのでしょう?

精油は、植物の、花や葉、果実、種子、樹脂などから抽出されています。 合成の香料とは違い、数百種類以上の天然の芳香成分で構成されているため、微細な奥行きを感じられる豊かな香りであることも特徴です。

バラと茶色のボトル画像

 

ちなみに、バラの精油を1滴抽出するのに、何個のバラの花が必要か、イメージできますか?

バラ

その答えは、約60個。

1kgのバラの精油を抽出するとなると、3.5tのバラの生花が必要とされます。
「精油」1滴1滴に、植物のエネルギーが “ぎゅっ”と、凝縮されていることがお分かりいただけることでしょう。

 

植物にとって「香り」は、虫の嫌なにおいで害虫から身を守ったり、花粉や種を運んでもらうために昆虫や鳥をおびき寄せたり、と、生存のために非常に大きな役割を果たしています。 その精油は、原料となる植物に含まれる芳香成分に応じて、さまざまな「薬理作用」をもっていて、私たち人間の、心と体にはたらきかけるのです。

図表

シャンプー、化粧品、洗剤・・・私たちが普段手にする「香り」のある日用品には、残香性の高い石油由来の「合成香料」が多く用いられています。合成ならではの利点ももちろんありますが、100%天然の植物由来の芳香成分である「精油」のような薬理作用は期待できません。

 

まさに、「精油」は自然の香りが織りなす薬箱のような存在と言えるでしょう。

 

アロマ×空間デザイン

では、そんな、自然の恵みがギュッと詰まった「アロマテラピー」で、どんなふうに空間をデザインしていくか、紐解いていきましょう。

 

目を閉じて、「オレンジ」の香りを、イメージしてみてください。

 

どんな色や形が浮かびますか?温かいですか?冷たいですか?
女性的ですか?男性的ですか?どんな季節にふさわしい香りですか?
落ち着きますか?やる気が出ますか?朝・昼・夜、どの時間帯に香りたいですか?

 

もちろん、どの答えも間違えではありませんが
「温かさ」「太陽」「丸」「オレンジ色」「安心感」「笑顔」「親しみ」「団欒」
そんなキーワードが浮かんでくる方が多いのではないでしょうか。

ボトルとハーブ

ラベンダー、ローズ、ユーカリ、ヒノキ、レモン、ローズマリー、ペパーミントetc
香りも、そのイメージも、薬理作用も、精油ひとつひとつに、豊かな個性を持ちます。

「アロマ空間デザイン」では、主に、この個性豊かな精油同士数種類をバランスよく掛け合わせ、1種類の精油だけでは醸し出せない奥行きやデザイン性のある香りにブレンドした精油で、香りの空間演出をします。

 

また、さらに、薬理作用的な視点から見てみても、精油同士をブレンドすることで、ラベンダー(鎮静・抗菌・抗炎症)×ユーカリ(抗菌・抗ウィルス・去痰)のように私たちのこころとからだへ、ラベンダーとユーカリ両方の作用を響かせることができるのです。

 

ボトルとハーブ

「陽だまりのような温かみのある、誰もが親しみの持てる香り」
「洗い立てのシーツのような清潔感漂う、クリアな香り」
「ワクワクと好奇心や購買意欲が掻き立てられるアクティブな香り」

 

空間にどんな”くうき”を漂わせたいのか
そこに滞在するどんな人々に、どんな”きもち”を抱いて欲しいのか
照明や家具を選ぶように、その空間をどんなふうに印象づけたいのか

そのように「目的」や「イメージ」に適した「香り」を選ぶことでこころとからだに響く「香りの空間」をデザインします。

 

次回は、実際に例を挙げながら、「アロマ空間デザイン」の世界へ、また一つ扉を開けていきますね!

 

前のコラム:プルースト効果で、「こころ」に響く、アロマ空間デザイン

 

三井エレナ(ELENA MITSUI)

AROMATIQUE SPACE DESIGNER(アロマティーク スペース デザイナー)

三井エレナ

 

《略歴》
自らの不調を機に、アロマの世界に出会う。
香りの世界に魅せられる中 劇的に心身の不調が回復したことを機に アロマのプロの道を志し、国内外のアロマ資格取得。
香りのイベントやセミナー講師、 クリニック、ギャラリー、イベントスペース等の アロマ空間デザインを担当。

・2010年
(公社)日本アロマ環境協会認定アロマセラピスト アロマセラピーインストラクター資格取得

・2011年
英国IFA国際アロマセラピスト連盟認定アロマセラピスト資格取得

・2018年
アットアロマ アロマ空間コーディネーター資格取得

 

Webサイト
elenaroma /aromatic design

お問い合わせ
elenaroma66mitsui@gmail.com

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