年齢があらわれる「手肌」。予想以上にあなたの「手」は見られています。

「自分の身体のどの部分に老化を感じますか？」という調査で、「顔」「髪」に次いで第三位に入った「手」。なんと約5割近くの方が「手」に老化を感じているそう。

「他の女性の手を見て老化を感じたことがありますか？」という質問に対しては、7割超が「感じたことがある」と回答しました。（※1）
予想以上にあなたの「手」は見られています。

乾燥してシワが目立つ手を避けるためのお手入れは、見た目のアンチエイジングのためにも重要です。

さらに新型コロナウイルスの影響で、約8割以上の方が「手洗い」や「手指消毒」が増えたと回答しています。また、約半数の方が例年に比べて、乾燥や手荒れを実感しており、約7割が、ハンドクリームを使用する等のハンドケアの回数が増えたことがわかりました。（※2）

（※1　ロート製薬調べ：2019年8月 WEB調査、20～60代女性、800人）

（※2　資生堂調べ：2020年12月 WEB調査、18～69歳、2,500人）

薬の専門家はどんなハンドクリームを使っている？

たくさんの種類があり、何を選んだらよいのか迷うハンドクリーム。
薬のプロである薬剤師は、どんなハンドクリームを使っているのか気になりますね。
薬の専門家として保湿クリームの保湿成分は何が良いと思うか、おすすめの市販の保湿クリームは何かアンケート調査が行われました。（※3）

（※3ハッピーファーマシスト調べ　2021年1月 WEB調査、105人）

■保湿剤(保湿クリーム)の成分としてメジャーであるヘパリン類似物質・ワセリン・セラミド・尿素のうち、おすすめの保湿成分は何ですか？またその理由も教えてください。（「　」内コメント）

１位．ヘパリン類似物質　78.1%

「ヘパリン類似物質は、肌の新陳代謝を促し、弱った肌バリア機能を取り戻すことができ、乾燥によって荒れてしまった肌の修復もできます。一時的な保湿だけでなく、乾燥による肌荒れの根本的な改善ができるところがいいです。」

「敏感肌や乾燥肌でも使用することができ、オールシーズンでの使用が可能です。傷や分泌液を伴う炎症部分には良くない場合があります。ワセリンも冬季では大変効果的ですが、夏季は毛穴を潰してしまい湿疹の原因になってしまうこともあるので注意が必要です。」

「軟膏、ローション、クリーム、泡状スプレー等、患者さんの使用勝手に応じて使い分けができ、この薬を使って効かなかったと言った人を聞いた事がなかったため。」

２位．ワセリン　32.4％

「保湿という面ではワセリンが最もよいから。ワセリンだけだと乾燥するので、ワセリンの前にヘパリン類似物質や化粧水などを塗布して水分を付加するとよいです。」

「ワセリンは不純物の含有率が低く刺激感も少ないため」

３位　セラミド　11.4％

「セラミドは肌のバリア機能を保つだけでなく、べたつきが少ないのが特徴。塗布した後に水で手洗いしても流れにくい。飲むのは効果があるかわからないが、塗布は効果あり。」

「高水分保持が期待できて、乾燥から皮膚を守りしっとり維持できるため、日々のハンドケアに最適です。」

４位　尿素　8.6％

「尿素は保湿成分として優秀なだけでなく、皮膚表面の余分な角質をとる働きもあるからです。潤いだけでなく、ヒビやあかぎれで荒れた手もつるっとした感じになります。」

「尿素が肌の潤いを保つのは「水素結合」の力と関係しています。水分と尿素は水素結合を介してくっつき合い、混じり合うことができます。要するに水と尿素は非常になじみがいいということです。このため皮膚に尿素クリームを塗っておけば尿素がしっかりと水分子をつかまえ、肌の乾燥を防ぐというわけです。」

含有成分についてもなんとなくイメージで選びがちですが、薬剤師の方のコメントはとても参考になりますね。

■おすすめの市販の保湿剤（保湿クリーム）の商品名と、おすすめの理由を教えてください。

市販の保湿剤（保湿クリーム）でおすすめ商品は以下でした。

１位．ヘパリン類似物質含有商品　41.0％

様々な商品名が挙がりましたが、最も多く回答されたのは健栄製薬のヒルマイルドシリーズでした。

２位．ワセリンの商品　11.3％

ワセリン含有商品ではなく、内容成分がワセリンのみの商品が挙がりました。

ヴァセリン オリジナルピュアスキンジェリー(ユニリーバ)

３位．アトリックスシリーズ(ニベア花王)　10.4％
アトリックスシリーズは薬用成分配合のハンドクリームから、サラッとしたハンドジェルなど様々な商品が揃っています。 濡れた手でも使えるハンドミルクも話題になりました。

■調剤など仕事の邪魔にならないハンドクリームを教えてください。

サラッとした使い心地で仕事の邪魔になりにくいと回答があったハンドクリームのうち、複数の方から名前が挙がったハンドクリームを紹介します。

・アトリックスシリーズ(ハンドクリーム/メディケイテッドエクストラクリーム/ビューティーチャージ)
・ニベア ソフト スキンケアクリーム
・マジックハンドクリーム

また、35.2％の方は、「仕事中にはハンドクリームを使わない」と回答していました。

ハンドクリームを変えるのではなく、使い方を工夫しているという方も。
「クリームを塗るときには、手の甲にクリームをとって手の甲同士をすり合わせて塗り、余った分を手のひらに塗るようにすると、ベタつきを感じにくいので仕事中でも使いやすいのではないでしょうか。」
「仕事中は、何度も手を洗うため、直ぐにクリームが取れてしまいます。私は、プロペトとヘパリン類似物質を1:1で混合したものを使用しています。伸びもよく、保湿効果も持続して、調子が良いです。」

このような使い方は日常生活でも活かせそうですね。

今回の調査は、薬の専門家である薬剤師による保湿成分についての解説やおすすめの保湿クリーム、仕事の邪魔にならないハンドクリームなど、私たちのハンドクリーム選びにも、とても参考になる情報でした。

ハンドクリームを活用して乾燥を防ぎ、手肌のアンチエイジングを実現しましょう。

執筆：アンチエイジングネットワーク事務局

参考：

薬剤師105人がおすすめする保湿クリームとハンドクリーム【現役薬剤師にアンケート】