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健康にまつわるさまざまな「○○活」ブームがありますが、「タンサ活※」をご存知ですか。

腸内の環境にますます注目があつまる昨今、腸内細菌が作る代謝物質「タンサ(短鎖)脂肪酸」を生み出す活動が「タンサ活※」。

「タンサ(短鎖)脂肪酸」とは、ビフィズス菌などの腸内細菌が水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作る腸内細菌代謝物質です。近年の研究では体脂肪の低減、基礎代謝の向上などの抗肥満作用をはじめ、免疫やストレスへの作用など、様々な機能を持つことが明らかになっています。

 

江崎グリコは、腸内細菌が作る代謝物質「タンサ(短鎖)脂肪酸※」の働きを広め、腸からの健康生活習慣を啓発する「タンサ脂肪酸プロジェクト」を推進しています。その一環として、タンサ脂肪酸を生み出すための活動を「タンサ活※」と称し、水溶性食物繊維とビフィズス菌を摂取できる「タンサ活レシピ」を毎日の食生活に取り入れることを提案します。「美腸活CAFE & GROCERY® L(エル) for(フォー) You(ユー) AOYAMA(アオヤマ)®」と、管理栄養士の柴田真希氏の協力のもと、2023年5月16日(火)まで同店で期間限定メニュー「オートミールパンケーキプレート ~タンサ活レシピ~」を提供しています。

 

美腸活カフェL for Youで期間限定「オートミールパンケーキプレート ~タンサ活レシピ~」を提供

「タンサ活レシピ」は、ビフィズス菌入りヨーグルト100gと、ビフィズス菌のエサとなってタンサ脂肪酸を産生する水溶性食物繊維2gを1食で摂取できるレシピです。今回、提供する「オートミールパンケーキプレート ~タンサ活レシピ~」は管理栄養士・柴田真希氏の監修のもと、L for Youが考案、開発したメニューです。ビフィズス菌入りヨーグルトを使用したドレッシングとデザートを作り、水溶性食物繊維が豊富なオートミール、アボカド、キウイフルーツを合わせています。

 

■期間   
 2023年4月17日(月)~5月16日(火)
 ※平日・土日祝ともにランチタイム11:00~15:00(L.O.15:00)のみ提供
 
■実施店舗
 美腸活CAFE & GROCERY® L for You AOYAMA®
 (住所:東京都港区南青山 3-9-3 池上ビル1 階 /  電話:03-6459-2504)
 ・アクセス 東京メトロ表参道駅徒歩7分、外苑前駅徒歩10分
 ・営業日 [月〜土] 11:00~19:30 [日]11:00~17:00

■提供メニュー 
 「オートミールパンケーキプレート ~タンサ活レシピ~」(1,760円税込)
 「ビフィズス菌入りヨーグルト」100gとビフィズス菌のエサとなってタンサ脂肪酸を産生する
 「水溶性食物繊維」2gを1食で摂取できます。ビフィズス菌入りヨーグルトでドレッシングとデザートを作り
  水溶性食物繊維が豊富なオートミール、アボカド、キウイフルーツを合わせました。

 

「美腸活CAFE & GROCERY® L for You AOYAMA®」

HP: https://www.lforyou.tokyo/

 

管理栄養士のおうちでできる「タンサ活レシピ」

提供するレシピの他にも、管理栄養士・柴田真希氏から、日々の食生活に「タンサ活」を取り入れるアドバイスとおうちでできる「タンサ活レシピ」、L for Youからはカフェで考案した「タンサ活レシピ」を本リリースにて紹介します。(レシピ紹介P6~10)

 

管理栄養士 柴田真希氏(株式会社エミッシュ代表取締役)のタンサ活のススメ

 

■なぜ今、「タンサ活」?
 年齢を重ねると、いつもと同じ食事をしているのに「太りやすくなった」「化粧のノリが悪くなった」「疲れやすくなった」「風邪をひきやすくなった」・・・など悩みがつきません。代謝が落ちたり、ホルモンバランスが崩れてきたりすると、今までと同じ食事ではケアが不十分です。歳を重ねると食も細くなり、少ない量でも栄養を効率よくとる必要があります。そこで、味方につけたいのがタンサ活です。
■タンサ活に必要な栄養素…水溶性食物繊維って一体なに?
 タンサ活を日々の食生活に取り入れるおすすめの目安量は、「ビフィズス菌入りヨーグルト100g」×「水溶性食物繊維2g」。ヨーグルトもさまざまな種類がありますが、パッケージに「ビフィズス菌」と書いてあるものを意識して選んでみましょう。そして、水溶性食物繊維は、以下の表を参考に普段の食事に取り入れてみましょう。

 

★水溶性食物繊維を多く含む食品と2gを摂取するための目安量 

■毎日「タンサ活」のススメ
 タンサ活は1日にしてならず。何事も継続が大切です。タンサ活を続けるポイントを3つご紹介します。
【1】自分に合っていること
 つまり現在の食事と乖離していないこと。どんなにおいしいレシピでも、ライフスタイルにフィットしない  と継続は難しいです。
【2】簡単に作れること
 どんなにおいしくても、作り方が複雑だと忙しい毎日では続けることができません。
【3】習慣化するポイントを作ること
 毎日欠かさず特に考えることもなく食べているものもあるかと思いますが、そのように続けるのが苦痛にならないくらい自然に食べる習慣ができるのがベストです。例えば、朝ごはんの時にパンと一緒に。バランスサラダのように食事代わりに。おやつ時にお腹がすいてしまう時、夜ごはん後のデザート代わりに…といった感じです。考えずにできるくらい浸透することで習慣化することができます。
 ビフィズス菌入りのヨーグルト100gは分かりやすいですが、水溶性食物繊維2gもどれくらいなのか、先程の食材表をみて目安量をみつけておくのもいいですし、ヨーグルトにすでに水溶性食物繊維が入っているものを取り入れるのも一つの続けやすい方法です。

皆さんも年齢や体調でなりたい自分を諦めないために、毎日の食事に「タンサ活レシピ」を取り入れてみてください。

 

腸内環境研究の「タンサ活チェック」

「タンサ脂肪酸」に関する数々の研究実績がある福田真嗣先生(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授/株式会社メタジェン代表取締役社長CEO)から、続々と分かってきた「タンサ脂肪酸」の効果と、日々の生活にタンサ脂肪酸を取り入れる「タンサ活チェック」を紹介します。

 

■続々と分かってきた、腸内代謝物質「タンサ脂肪酸」のチカラ
 「タンサ(短鎖)脂肪酸」とは、ビフィズス菌などの腸内細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作る腸内代謝物質です。近年の研究で、体脂肪の低減、基礎代謝の向上などの抗肥満作用をはじめ、免疫機能やストレスなどに対しても、様々な作用を持つことが明らかになっています。
腸内環境研究のスペシャリストである福田先生が注目するのは、以下の3つです。

①抗肥満効果
 短鎖脂肪酸は、腸管の内分泌細胞1)や脂肪細胞2)に作用することで消化管ホルモンやインスリン分泌を制御し、抗肥満作用を促すことが報告されています。また短鎖脂肪酸は、腸管の上皮細胞3)や免疫細胞4)にも作用することで腸管のバリア機能を高めることも明らかになっています。腸管のバリア機能が弱まると、腸管内に多量に存在する腸内細菌の構成成分が体内に入り、脂肪組織などで微弱な炎症が生じるため結果として太りやすくなることが報告されています5)。
1.Chambers, et al., Gut, 64: 1744, 2015.    2.Kimura, et al., Nat. Commun., 4: 1829, 2013.    3.Kelly, et al., Cell Host & Microbe, 17: 662, 2015.
4.Sun, et al., Nat. Commun., 9: 3555, 2018.  5.Cani, et al., Gut, 58: 1091, 2009.

 

②免疫機能の増強
 短鎖脂肪酸は、腸管の免疫細胞に作用することでアレルギーや大腸炎を抑制したり6)、感染症の予防などに重要な免疫グロブリンA(IgA)の産生量やその質を改善したりすることが報告されています7)。近年、花粉症患者の低年齢化が進んだり、新型コロナウィルスなどの新興感染症が社会問題となったりしていることから、短鎖脂肪酸による免疫機能の増強は、新しい生活様式において重要な機能と考えられます。
6.Furusawa, et al., Nature, 504: 446, 2013.    7.Takeuchi, et al., Nature, 595: 560, 2021.

 

③妊婦や胎児への影響
 妊婦の腸内環境において短鎖脂肪酸量が不足すると、妊娠高血圧腎症につながることや8)、妊婦自身のみならずお腹の胎児にも影響し、出産後に子供の喘息のリスクが増加したり9)、肥満につながったり10)することが動物試験により明らかとなっています。これは妊婦の腸内環境で産生された短鎖脂肪酸が腸から吸収されて血中に移行し、胎児を含めて全身に作用するためです。
8.Hu, et al., Nat. Commun., 10: 3031, 2019.    9.Thorburn, et al., Nat. Commun., 6: 7320, 2015.
10.Kimura, et al., Science, 367: eaaw8429, 2020.

 

■福田先生の「タンサ脂肪酸」関連研究

①短鎖脂肪酸が「持久力を高める」ことに寄与することを証明11) 。
 青山学院大学陸上競技部に所属する男子長距離走ランナーの腸内細菌叢を調べたところ、腸内細菌の一種であるバクテロイデス ユニフォルミスが同年代の男性に比べて多く、その菌数は走行タイムと関連があることがわかりました。また、この腸内細菌を増やすオリゴ糖を摂取したグループは、そうでないグループに比べて持久力が高まりました。腸内細菌がオリゴ糖を分解して短鎖脂肪酸を多く産生し、それらが腸から吸収されて肝臓に作用することで、肝臓からのグルコース供給が促進され全身の筋肉が持久的に動けるようになったためと考えられます。
11.Morita, et al., Sci. Adv., 9: eadd2120, 2023.

②短鎖脂肪酸に腸管出血性大腸菌O157:H7感染症予防効果があることを証明12)。
 短鎖脂肪酸の一つである酢酸が、腸管上皮細胞に作用することでそのバリア機能を高め、食中毒菌の一種である腸管出血性大腸菌O157:H7による感染症を予防することを動物試験で明らかにしました。腸管出血性大腸菌O157:H7は腸内に感染して微弱な炎症を引き起こすと共に、多量の毒素を産生します。酢酸が腸管バリア機能を高めることで腸管内に多量に存在する毒素の体内への流入を防ぎ、結果として感染症を予防できることが分かりました。
12.Fukuda, et al., Nature, 469: 543, 2011.

 

■福田先生の「タンサ脂肪酸」関連研究

①短鎖脂肪酸が「持久力を高める」ことに寄与することを証明11) 。
 青山学院大学陸上競技部に所属する男子長距離走ランナーの腸内細菌叢を調べたところ、腸内細菌の一種であるバクテロイデス ユニフォルミスが同年代の男性に比べて多く、その菌数は走行タイムと関連があることがわかりました。また、この腸内細菌を増やすオリゴ糖を摂取したグループは、そうでないグループに比べて持久力が高まりました。腸内細菌がオリゴ糖を分解して短鎖脂肪酸を多く産生し、それらが腸から吸収されて肝臓に作用することで、肝臓からのグルコース供給が促進され全身の筋肉が持久的に動けるようになったためと考えられます。
11.Morita, et al., Sci. Adv., 9: eadd2120, 2023.

 

②短鎖脂肪酸に腸管出血性大腸菌O157:H7感染症予防効果があることを証明12)。
 短鎖脂肪酸の一つである酢酸が、腸管上皮細胞に作用することでそのバリア機能を高め、食中毒菌の一種である腸管出血性大腸菌O157:H7による感染症を予防することを動物試験で明らかにしました。腸管出血性大腸菌O157:H7は腸内に感染して微弱な炎症を引き起こすと共に、多量の毒素を産生します。酢酸が腸管バリア機能を高めることで腸管内に多量に存在する毒素の体内への流入を防ぎ、結果として感染症を予防できることが分かりました。
12.Fukuda, et al., Nature, 469: 543, 2011.

 

■タンサ脂肪酸を普段の生活に取り入れる工夫をしていますか?「タンサ活チェック」

福田先生によると、タンサ活の第一歩は「毎日の便のチェック」から。ビフィズス菌や食物繊維をうまく取り入れながら、以下のステップで「タンサ活」をしていきましょう。

近い将来、トイレで自動的に便のチェックが行われ、その人の腸内環境に合わせた食事をロボットが作って提供してくれるような「スマートハウス」での生活が必ずやって来るでしょう。その未来に向けて私たちは、腸内環境を適切に制御する(これを腸内デザイン®と呼びます)ための基盤技術の開発を続けていますが、短鎖脂肪酸の重要性をまず皆さんに理解していただくことが、病気を未然に防ぐ病気ゼロ社会への第一歩になると考えています。

 

■福田先生に聞く「腸内細菌Q&A」

Q.タンサ脂肪酸と呼ばれるものにはどんな種類があるの?
A. ヒトの腸内では「酢酸」、「プロピオン酸」、「酪酸」の3つが代表的な短鎖脂肪酸です。それぞれが直接的にあるいは受容体を介して様々な機能を発揮することが知られており、酢酸には前述のような妊婦や胎児への影響、抗肥満効果、IgAを介した感染症予防効果、プロピオン酸には持久力向上や抗肥満効果、酪酸には腸管バリア機能向上やアレルギー抑制効果などが報告されています。またそれぞれの短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌も異なり、例えばビフィズス菌は主に「酢酸」を作ります。酪酸を産生する菌群は総称して酪酸菌とも呼ばれています。

Q.私たちの腸内に微生物が住めるのはなぜ?
A.一見、体の内側だと思われている腸内は、口から肛門までが一本の管になっているため、実は手のひらなどと同じ体表面、つまり体の外側です。だからこそ、腸内にはさまざまな微生物が生存できるのです。これらの微生物は、個人の長期的な食習慣や生活習慣に主に起因して個人ごとに固有のものであり、一卵性双生児でも異なることが明らかになっています。

Q.腸内細菌が脳にも影響するってほんと?
A. 「脳腸相関」と言いますが、腸と脳は迷走神経でつながっており、ホルモンを介してもお互いに影響し合っていることが明らかになっています。近年の研究で、食の好みが腸内細菌によって影響を受けることや、運動のモチベーションが腸内細菌によって影響されることも報告されています。

 

※「タンサ活」について
「タンサ活」とは、江崎グリコが提唱する腸内でタンサ脂肪酸を生み出すための活動を指した造語です。

 

情報提供:江崎グリコ株式会社

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