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少しずつですが、太陽の日差しが優しくなってきたように思いませんか。“もう春はそこまで来ている”のだと感じられる頃になりましたが、私のまわりでは喉や鼻の調子が悪かったり、風邪を引いて寝込んでしまったり、体調を崩してしまう方が多いです。春の気配を感じても実際に吹く風の冷たさや気温差には油断大敵ですね。
気温が上がって服装はすぐに変えられても、体自身はすぐに対応できるというわけにはいきません。春に向けてゆっくり体を慣れさせてあげましょう。

******プリプリのエビで体内循環******

昨年から話題となった偽装表示。そのことで残念ながら注目を浴びてしまったのがエビです。きっとエビたちもまさか自分たちの名前で注目されるなんて思ってもみなかったでしょうね。

背を丸めたその姿から長寿の願いともいわれているエビは、祝いの席でも重宝されています。エビは食べることで体を温め、スタミナの増強にもすぐれた甲殻類です。熱を加えることで鮮やかな色合いを放ちますが、この色素成分はアスタキサンチンです。カロテノイドの一種で、血液中の中性脂肪を減らして、脂質の過酸化を防止することで血液をサラサラにしてくれる役割があります。血のめぐりを良くすることで、冬の寒さで収縮していた筋肉をほぐし、肩こりの改善にも役立ってくれます。
また、エビに含まれるアミノ酸の一種であるタウリンコレステロールを抑え、動脈硬化予防にもすぐれています。脂質の消化を促進することで肝臓のコレステロールの分解を促進、血液中のコレステロールを下げてくれるのですね。
様々な要素がつながり合うことで、体作りの向上になります。体内循環を良くして、潤いを整えていきましょう。

******駿河湾の恵みはこれからが旬******

春が近づくにつれて待ち遠しいのが「桜エビ」です。春と秋の年2回、一定の時期に漁が解禁されます。小さく透き通るような淡色の桜エビは、静岡・駿河湾で漁が行われ、毎年3月下旬から春の漁が始まります。実は国内の水揚げ100%という駿河湾の桜エビ。なんとも貴重ではないですか!

水揚げされた桜エビは、生食また釜揚げされ、地元の名物丼としても人気となっています。また浜辺で天日干しされている光景は春の訪れを告げる風物詩にもなり、ニュースにも取り上げられるほどです。干した桜エビは乾物として、また加工品として流通されています。
暖かくなったら、桜エビを求めて駿河湾周辺、由比の街を散策するのも楽しいかもしれませんね。特に生食は鮮度が命、食べるなら現地に行くのがベストです。心も体もゆっくり春モードに切り替えていきましょう。

******すみ子のちょこっとZOOM UP******

エビの姿で象徴されるのがその色合い。生の状態では色素成分のアスタキサンチンがタンパク質と結びついているので、青紫かかった色ですが、熱を加えることでタンパク質と分離し、鮮やかな赤色になります。エビの色合いは「葡萄色(えびいろ)」と呼ばれていて、ヤマブドウの熟した果実のような色をさします。
日本の古風な色の例えって優美ですよね。エビの加熱方法によって、その色の変化も楽しみたいものです。

エビの栄養素は殻にも多く含まれているので、カラッと素揚げにしてそのまま食べたり、殻や頭をスープで煮出したりすればエビのうま味も倍増です。調理の仕方も多様ですので色々と試してみてくださいね。

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

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