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とうとう、梅雨の季節到来です。
春から夏へと移り変わるこの時期は、湿気も多くなるし、体調管理に一層身を引き締めないといけないですね。
さらに、今年も節電対策が必須のようで、頭をかかえてしまいます。

さて、スーパーで見かける野菜の中で、緑鮮やかな色合いを輝かせている豆類たち。
夏にかけて、様々なマメ科の野菜が登場していきます。
グリンピース、インゲン、スナップえんどう、エダマメ…
今回は、大粒で食べ応えのあるソラマメに注目してみましょう。

***季節の移り変わりはソラマメから***
ソメイヨシノの桜が、日本列島を潤していく頃、ソラマメは収穫の準備に入ります。
ソラマメの収穫量日本一とされるのは、鹿児島県です。
平成22年度の収穫量は5410tで、全国シェアは27.6%となっています。
年明け前から寒さの残る早春にかけて、すでに鹿児島産のソラマメは動き始めていて、四国、本州へと産地は北上していきます。それは、まるで満開の桜を追いかけているようです。
桜を愛でる期間はとても短いですよね。ソラマメも同じです。
食べごろとしては、10~14日ほどなので、産地の旬を逃してしまうと、美味しいソラマメには出会えません。「ソラマメ3日」という言葉があるように、豆に空気がふれると急激に鮮度が落ちてしまうので、さや付きを購入して、早く食べ切りましょう。

***ふくよかな甘みでうま味も凝縮***
ソラマメが日本へ初めて上陸したのは、8世紀の天平時代といわれています。
小粒の品種からはじまり、現在の大粒品種が登場して、江戸時代の頃には、とても貴重で重要な役割を果たすようになりました。それは飢餓です。
秋にお米の収穫がはじまり、晩春の小麦が収穫されるまでの間、庶民の食生活を助けていたのが、生や乾燥させたソラマメだったといわれています。
生のソラマメは、水分が少ないので、その分うま味が凝縮されています。
タンパク質と炭水化物が豊富で、エネルギー活力源になってうれるので、湿気が多いこの時期には、パワーチャージのきっかけになってくれるでしょう。
ソラマメの種皮を食べずに捨ててしまう方もいるかもしれませんが、種皮には、女性に嬉しい食物繊維が多く含まれているので、皮ごと食べていただきたいですね。
ビタミン類も豊富ですが、中でも注目するがビタミンB2です。
動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を防いで、血管の若さを保つのに役立ってくれます。血中のコレステロールの酸化は、できる限りさけていきたいものです。

ソラマメをはじめとする豆類は、食べることで満腹感を得られるので、食べ過ぎを防止することもできます。
ご飯に混ぜたり、炒めものやあえ物。お父さんたちには、ビールのおつまみとして、
さまざまな料理に活用してみてくださいね。

***すみ子のちょこっとZOOM UP***
私は、自宅で使う調味料を手作りすることがよくあります。
ソラマメも今の季節、自家製調味料作りに欠かせない食材なんです。
その調味料って、なんだと思いますか?
正解は、中華料理に欠かせない豆板醤です。
市販されている豆板醤の製造ラベルを見ると、原材料にソラマメが書いてあります。
豆板醤の“豆板”とは、ソラマメのことなんですね。
茹でたソラマメをつぶして、2種類の唐辛子を使って作ります。
作ってすぐは、まだくすんだ色合いですが、毎日かき混ぜることで、赤茶色の豆板醤に近づいていきます。しかし、発酵して完成するのは、半年後…

毎年、秋にはフレッシュ豆板醤で作る中華料理が、我が家の食卓に並びます。

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

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