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アンチエイジング 美食スタイル

8月に入って、海や山へと、また里帰りなど、おでかけの予定を立てている方も多いのではないでしょうか。主要駅には、大きな荷物を抱えていたり、親子連れの姿を多く見かけるようになりました。反面、私はというと…
笑顔が絶えない子供たちを横目に日常生活を送るばかりです。

さて、おでかけの皆さんのカバンの中には、何が入っているかしら?
野外や長距離のおでかけに、お弁当を持参する方もいるのではないでしょうか。
といっても、身近な場所にデパートやコンビニがある現代は、手軽に買えるものがたくさんありますから、早朝からお弁当作りにいそしむという方は少ないのでは。
特に、今の季節は気温も高く、食中毒の恐れもありますから、食べ物に関しては慎重になってしまいますね。

***パワー全開でオールマイティに活躍***
食べたいものがすぐに手に入る現在とは違い、食材の保存機能が発達していなかった時代に活躍していたのが“酢”です。
酢の大きな特徴といえば、防腐効果といえるでしょう。
食材の腐敗を抑えて、特に夏の暑い頃には重宝されました。
白米に混ぜたり、魚を酢漬けにしたりと、酢と合わせることで、殺菌パワーが発揮されます。食材の傷みは微生物がもっているたんぱく質などの分解によってはじまるので、酢に含まれる酢酸がたんぱく質を変化させて菌の増殖を抑えてくれるのです。
食材自体はもちろん、それを扱う調理道具にも、昔の人は知恵を働かせていました。
まな板や包丁を酢水につけたり、洗うことで菌の繁殖を防いでいたのです。
ドラッグストアなどに、台所用漂白剤がずらりと並んでいますが、元をたどれば酢につながっているのですね。

夏の暑さにバテてしまい「食欲がない~~!」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、さっぱりとした料理が欲しくなるものです。
魚の酢漬けはもちろん梅酢で煮込んだりと大量の酢で調理した料理は食が進みます。
魚を骨まで丸ごと食べられるこのような料理は、日本人が不足がちとなっているカルシウムの摂取につながるもの。骨だけではなく、血中のカルシウムにも有効とされ、神経の安定血中脂肪の低下にも役立っています。
また、酢の酢酸砂糖のグリコーゲンが一緒になることで、エネルギー源の補充が促進。疲労回復の手助けをしてくれるので、暑さはもちろん、仕事の疲れなどに体をリセットできるのです。

***酢の種類って?***
ご自宅のキッチンには、どんな酢が常備されていますか?
私たちが身近に使っている酢といえば、”醸造酢”でしょう。これは、穀類や果実、アルコールを酢酸発酵させた液状調味料の分類です。
醸造酢をさらに分類すると、”穀物酢”と”果実酢”に分かれます。
穀物酢には、米、大麦、小麦、酒かす、コーンなどの穀類を使用したものがあり、米酢や黒米酢を購入したことのある方も多いのではないでしょうか。
果実酢は、醸造酢のうち、果実を使用したもので、リンゴ酢やブドウ酢が代表的です。
細かく条件があり、いわゆる”食酢”といった上記の酢だけではなく、すし酢や三杯酢など、”加工食品”があります。
最近では、酢の専門店が増え、フルーティーで使いやすく、また、ドリンクとして飲める酢も注目されていますね。
抗酸化物質によって、体の酸化を防止してくれたり、豊富に含まれるアミノ酸肌を再生させる手助けもしてくれるので、体の外からも内からもピカピカにアンチエイジングしちゃいましょう。

***すみ子のちょこっとZOOM UP***
「この味付け、いい塩梅ね・・・」なんて言葉、聞いたことありますよね。
“あんばい”は、加減や程度の意味合いの時に良く使われますが、中国から伝わった言葉です。塩と梅酢(昔は梅酢が主流でした)の関係を表わしていて、ほど良く料理の味を調和させるということをいいます。

しょっぱさを感じる塩味を和らげてくれるのが酢です。お味噌汁を温め直すと、味噌の濃度が強くなり、塩味を強く感じることがありますが、そんな時に、少量の酢を加えると味が安定していきます。
また、油を使う炒め物や脂肪分の多い肉を調理する時にも、酢を加えることで、舌に感じる脂っこさが緩和されて、さっぱりと食べることができるのです。
酢を加えることで、味わいも安定するので、減塩対策も可能なので、生活習慣病などで、塩分を控えたい方にも味方してくれるでしょう。
単に味付けとして使うのではなく、酢を入れることで、料理をより一層美味しくいただけるので、ぜひ活用してみてくださいね。
日本古来より使用されたといわれる酢の魅力を再認識してみましょう。

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

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