アンチエイジングニュース

アンチエイジングなフードナビ

第12回【砂漠が授けてくれた、奇跡の果実~ドライレモン、他】

50度を超える砂漠、ラクダに乗ったキャラバン、神秘的な言い伝え、そして、オアシスに育つデーツの木、そのパワー。異国の日常を思い描くだけで、想いは高まるばかり…。「日常の食生活がすでにアンチエイジングに満ちている」とも言える、かつてのペルシャ現在のイランの地へ、最終回の今日も想いを馳せて、お届けしていきます。

こんにちは、ナビゲーターの野菜ソムリエ・神林春美です。三回シリーズでご紹介している今回の「アンチエイジングなフードナビ」。一回二回と読んでくださった方には、私と同様、イランの奇跡の果実の持つ魅力に、心動かされ始めた方もいらっしゃるのでは?最終回の今回は、きっと皆さんも驚くはず!ドライフルーツの中でも、とってもユニークなものを3つご紹介いたします。もちろん、どれもそれぞれがアンチエイジングに働く魅力を持ったドライフルーツ女性の体に特に欠かせぬものでありながら、不足しがちな栄養素を補ってくれるアンチエイジングフードです。まず日本では作ることができない、貴重な食べ物ですよ。

アンチエイジングなフードナビでは、一つ目からご紹介しましょう。写真をご覧ください。こちら、何か分かりますか?一見、色も形も胡桃のような、しかもとても固い。「これは何でしょう?」「これはね、乾燥レモンです」。えーっ!いや、もうビックリ。輪切りにした乾燥レモンはよく見かけますが、「丸ごと」とは衝撃的な出会い。そもそも、私達日本人にとって、レモンをそのまま乾燥させる・乾燥できるという発想自体ないですものね、驚きです。聞けば、この乾燥レモン、ある程度は木の上で乾燥が可能、その後薄い塩水で軽くボイルし、完全天日干しで乾かすそうです。

また、乾燥レモンは「リムアッマニ」という品種からしか作られることのない貴重なもので、皮が薄く中の水分が蒸発しやすいのが特徴とのこと。ご存知のように、レモンはビタミンCが非常に豊富。「ビタミンCレモン○個分」なんていう表現をよくしますね。ビタミンCは美容を語る上で欠かせぬ栄養素。コラーゲンも、それを生成する過程ではビタミンCが必要です。しかし、人間の体は、残念ながら自らビタミンCを作ることは不可能な仕組みとなっており、食べ物から摂取するしかありません。

アンチエイジングなフードナビしかしながら、現在、日本で購入できるレモンは外国産が主流となり、ご存知のように、それらにはポストハーベスト農薬が使用されているのが現状です。残念ながら農薬を考えると、外国産レモンの「皮」は食べずに…、といったところ。そう考えると、この乾燥レモン。お話を聞いた、イラン出身のラザニ・ホセイン氏(株式会社バイオシード・代表取締役・農学博士)によれば「レモンの効能は乾燥しても、ほぼそのまま残っています」とのこと、嬉しいですね。もちろん、オーガニック栽培で、完全な天日干しですから、防腐剤もなし。安心して、皮の部分も含めた天然のビタミンCをまるごと摂取することができます。ちなみに、この乾燥レモンの使い方。イランでは、細かく刻んで、紅茶に入れたり、レモン水にする他、煮込み料理にも調味料として使われるそう。フォークで穴を開け、お風呂に浮かべれば、爽やかなレモン風呂にもなると言うことです。

アンチエイジングなフードナビ続きまして二つ目は、これまた可愛らしい形をしたこちら、ペルシャ語で「Tut(トゥット)」と言う名のドライフルーツ。英語では「ホワイトマルベリー」と呼ばれる「白桑の実」です。大きさも形も「つくし」のようにも見えますが、食べてみると、まるでキャラメルのような甘さ。もちろん、「砂糖ゼロの自然の甘さ」です。このホワイトマルベリー、どんなアンチエイジング効果があるのか、まったく想像もつかなかったのですが、鉄分はほうれん草に匹敵する数値(プルーンの7倍)。こんなに可愛い外見で、なかなかパワフルなようです。鉄分不足と感じるアンチエイジング世代の女性の方には、お菓子感覚で鉄分を補給できるこちら、オススメです!また、「天然のインスリン量も豊富」とのこと。イランでは糖尿病患者は砂糖の代わりに、このホワイトマルベリーを食べているのだと教えていただきました。

アンチエイジングなフードナビそして、ご紹介する最後はこちら。これまた可愛い響きの「チックピー」。可愛いくせに、ビールのつまみにもオススメ!という、実は「ひよこ豆」をローストした塩味のお豆さんです。ひよこ豆のたんぱく質は、豆類の中でも比較的豊富。ベジタリアンの方にとっては、スープなどの煮込み料理には肉・魚の代わりによく入れるのが、このひよこ豆ですね。(この種類のひよこ豆は、ローストしてあるのでそのまま食べられます。)たんぱく質は、人間の筋肉・血液・骨・皮膚など体を構成する要素を作る必要不可欠な栄養素。しかも、狩猟民族だった欧米人と違い、農耕民族だった日本人は、豆類からたんぱく質を補ってきた遺伝子を持っています。言ってみれば、私達の体は、生まれながらにして、豆類のたんぱく質と相性の良い体質。積極的にお豆を食べたいものですが、そういった意味でも、この塩味のローストひよこ豆!日本では、乾燥したものや缶詰でしか手に入りにくいお豆で、調理としての使い方が一般的ですが、もっと手軽に食べられる点でも、非常にオススメです。最近は、ビールもローカロリーのものが多く出ていますが、おつまみだって気を付けたいところ。一袋50gで約200kcal、ローカロリーでコレステロールもゼロ。「お酒のおつまみにだって、気を抜かない!」を合言葉に、今年の夏はぜひ、ビールのお供にも、アンチエイジングフードを摂り入れてくださいね。

●ドライレモンを使ったアンチエイジング料理レシピはこちら⇒●ドライレモンのレモネード
●ひよこ豆とラム肉のシチュー
●株式会社バイオシード

神林 春美(Harumi Kambayashi)プロフィール
●略歴
1976年生まれ。ライター。東南アジアの国タイを半年間旅した日々で、「野菜やハーブのある豊かな生活スタイル」に出会い、野菜ソムリエなどの資格を取得。「美味しい」だけでなく、「体に効く」食べ物に出会うことが、日々のパワーチャージのひとつ。特に好きなアンチエイジングフードは、デトックス効果の高い「パクチー」。野菜ソムリエ、調味料マイスター、アロマ環境協会アロマテラピー検定1級、eco-people(eco検定)の資格を持つ。
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