
秋の築地でアンチエイジング散策!今年は当たり年のサンマを堪能
猛暑続きの夏から、一気に秋の気配を感じられるようになりましたね。味覚の秋到来となり、今年はどんなおいしい味覚に出会えるでしょうか。食材の宝庫である東京・築地の場外市場を訪れました。
今回、築地に来た目的は、おいしい秋を求めてサンマを食べに来たのです。みなさん、もう今年のサンマは食べられましたか?今年は、サンマが豊漁で身も大きいと、テレビでも報道されていました。旬のおいしい食材で秋のアンチエイジングをいたしましょう。
脂ののったサンマは動脈硬化の予防にも!
訪れたのは、晴海通り沿いにある海鮮食堂「鈴木水産」です。場外で働く人たちも訪れるという人気店です。こちらの店は、マグロを中心とした海鮮丼が評判の店なのですが、焼魚のファンも多いとのことなのです。
早速、焼きサンマを定食で注文しました。この日の価格は1500円です。入荷によって価格が変更することがあるとのことです。
サンマは店頭で焼いて提供してくれます。長さがあり、ぷっくりと厚みのあるサンマに驚きです。焼いているスタッフさんにお話を伺ったところ、「今年は、身も大きく脂がのった上質のサンマがたくさん漁獲されています。身がプリッとしているので、串焼きの串がサンマに入りにくいほど。でもそれが新鮮な証拠よ」と教えてくれました。
サンマの香ばしく焼けた姿を見ると「秋が来たな」と感じますね。じっくり焼かれたサンマの身はふっくらとしていて、脂の甘みもしっかり感じられます。塩の振った香ばしい皮がまたおいしいのですよね。骨離れもよいので食べやすく、1500円という価格だけ聞くとお高く感じるかもですが、大きな身とおいしさを考慮すればお得に食べることができて大満足です。
サンマの良質の脂質は、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸を多く含んでいるので、動脈硬化や高血圧の予防としても役立ってくれます。ビタミン類も豊富で、血合いの部分には、貧血予防にも良いといわれるビタミンB12が多く含まれていますよ。
とはいえ、脂質が多く含まれている魚は、消化に時間がかかってしまい、胃に負担が起こることもあります。そのため、サンマの優秀な相方といえる大根おろしを一緒に食べることをおすすめします。大根に含まれるジアスターゼの消化酵素が脂質の分解を助けてくれて、タンパク質の消化吸収を促進してくれます。本当サンマと大根おろしって名コンビですよね。
因みに、お味噌汁の具がワカメだったのですが、実はサンマとワカメの食べ合わせも最高なのです。ワカメには、カリウムやビタミンC、アルギン酸などが含まれていて、こちらも高血圧や動脈硬化の予防としてよいといわれ、コレステロールを下げる助けもしてくれるのです。やはり旬のものをいただくとテンションも上がりますし、元気が出ますね。
それにしても久々に築地を訪れましたが、訪日外国人がたくさん訪れていました。店頭に立つスタッフさんは英語で呼び込みや対応をしてびっくり。日本人を見かける方が少ないのではないかと思うくらいです。
すっかりおなじみとなったシャインマスカットをはじめとするぶどうの色合いがカラフルに店頭を彩っていてウキウキします。ブドウといえば、エネルギーの源となるブドウ糖がたっぷり含まれているので、夏の疲れを取る疲労回復にもぴったりです。
また、国産ではありませんが、秋の味覚の王様マツタケもお目見えしていました。少しずつ乾燥をしやすくなる季節ですが、ビタミンB2が含まれているので、皮膚や髪の毛の健康を保つ働きや、ナイアシンによる血行促進にも役立ってくれそうです。
近年は、夏の残暑が長引いて、秋が無くなってしまうのではないかと思うような気候となっていますが、毎年おいしい秋の旬をいただきたいものですね。
【訪れた店「鈴木水産」】
東京都中央区築地4-11-2
03-3541-7860
9:30~14:30
祝日休み
※最新の店舗情報はSNSなどでご確認をお願いいたします。

伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』(amazonのサイト)

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします