アンチエイジングニュース

【特別企画】専門家が男女の「なぜ?」に迫る Vol.8

熊本悦明(札幌医科大学 名誉教授)×二松まゆみ(恋人・夫婦仲相談所 所長)特別対談

男女の関係はいつまでいってもわからないもの。
夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名が集まる「恋人・夫婦仲相談所」所長の二松まゆみさんを迎え、男女の「なぜ」に迫ります。

■なぜ男性は若い女性が好きなの?

二松 前回はなぜ男性が浮気をするのかというのを男性ホルモンの作用からお話していただきました。
今回のテーマは「なぜ男性は若い女性が好きなの?」ということをお聞きしたいと思っています。

熊本 前回も言ったけど、アドベンチャーは珍しいものが好きなわけですよ。

二松 若い女性は珍しいのですか。古女房より魅力的に映るのですかね。

熊本 キレイなものには皆が関心があるわけだし、珍しいものに対しては、より冒険心が出てくるわけです。それと、皆、新しいものが好きな傾向が強いからね。女性と同じにしたら怒られるかもしれないけど、車でも機械でも次から次へと新しいもの買ったりね。みんな同じですよ。

二松 なるほど、そういうことですね。

熊本 言い過ぎでしょうが、例えば「赤いフェラーリの新車がいい」なんていうのと「若い女性がいい」なんていうのは心根は同じでしょう。

二松 変わらないのですか。悲しいかな「男性の性」

熊本 医学的な立場からすればね。

二松 でも日本男性は「若い女性」にすごく価値をおくけど、フランスとかイタリアはそんな「若い」というよりは会話がちゃんとできる円熟した女性がいいっていいますよね。この辺はどうなんですか?

熊本 それは文化の違いですね。
アドベンチャーは、新しいものを求める。しかし新しいということは、より価値があるものということですよ。外見的な綺麗さのみに価値を認めるとすれば、日本男性はある意味においてかなり単純すぎると言えますね。文化度が低いわけね。会話力や人間身というものにあんまり価値を認めないということは、文化的にフランスより遅れているということになる。会話ができなくても、きれいな格好してればもてはやされるのがやはり日本の傾向。でもフランスではそんな人ばかりではないと思いますよ。付き合ってみたらバカじゃしょうがないと思う。それは文化的に高い(?)という証拠だと思いませんか。

二松 キャバクラ文化なんかは日本独特のものですよね。若くてすごくきれいに着飾ったお姉さんに男性が会いにいくわけですよね。

熊本 日本独特だかよく分かりませんが。要するに人間味じゃなくて外見っていうのは、やっぱり文化度・趣味の問題ですね。アドベンチャースピリットが多ければ関心を持つけど、どういう女性を選ぶかとなってくるとその人自身の文化度の問題なんじゃないですか?

二松 そうですよね。イタリア人男性なんて若かろうが熟年の女性だろうがとにかく女性が一人でいたら声をかけないといけないっていう思いがあるそうですから。カフェとかで女性が一人で座ってて、たまたま目が合ったら声をかけないといけないそうですね。たぶん文化の違いなのでしょうね。

熊本 女性への関心度は性的好奇心と文化成熟度、さらに習慣などが絡んで様々なのでしょう。イタリア男性の積極的な基本は、男性的な精神的エネルギー、やる気が高い、いわば南国的生活活性度も高いこともその背景にあると言えませんか。

二松 ワインやチーズも熟成したがものの方が、美味しいっていいますよね。

熊本 何に価値を認めるかっていうことと、アドベンチャーの対象の価値と、一方反応する側の精神的エネルギー・やる気とが上手くクロスしてるかによって全然違ってくるんですよね。

二松 なるほどね。なぜ若い女性が好きなのかっていうのも分かりました。ちょっと視点を変えてお聞きしたいんですけど、なぜ男性はアダルトビデオを見たがるんですか。特に日本人の男性は大好きですけど。

熊本 結局はアドベンチャーなんだけど、それじゃ話が終わっちゃうから…日本人はアダルトビデオが好きかもしれないけど、外国のホテルなんかでは、もっと赤裸々なアダルトビデオは当たり前だし、町で売っている雑誌でも何も隠していない。好きなのは日本人だけじゃないのでは。ただ日本みたいに、ポイントを隠しているので、かえって探りたくなるという悪循環があると思いますね。

二松 たしかに隠してないですよね。

熊本 日本人は女の人の裸とか胸がどうのこうのって言うけど、例えばフランスなんか行くと海水浴でパンツだけで、胸なんか当たり前に出していて、別に不思議でもなんでもない。

二松 外国だとヌーディストビーチも多いですよね。私もスペインやフランスの海岸でふくよかなおっぱいをたくさん見ました(笑)。まわりに男性がたくさんいるわけですから何の違和感もわきませんでしたね。

熊本 そうやって裸を見てれば、それはもうアドベンチャーじゃなくなってしまうわけです。

二松 普通のことになるんですね。

熊本 ミュンヘン行ったときに公園行って驚いたのは、女の子も男の子も御座をひろげて真っ裸でひなたぼっこしていましたよ。全く自然体という感じでした。ジャパニーズガーデンという日本の侘びた茶室がある横の芝生でも、男も女も何気なく真っ裸で寝てるので驚きました。面白いから遠くから見てたら、僕の立っているすぐ横で、若い女の子が御座をパッと広げて自然に服を脱いでそこに寝てるのですよ。もう全然恥ずかしがらない。

二松 逆にそうなるとアドベンチャースピリットはなくなっちゃいますよね。

熊本 そうなんでしょうね。話は変わるけど、そこで面白いなと思ったのは、外国人は陰毛は黒くないんですよね。だから「ここに何かありますよ」って感じが無いので、そこも気にならないのかなとも思いました。日本人は肌の色が白いところにきて陰毛が黒いから、何と無く注目を引き寄せるようなニュアンスがあるんですかね。

二松 セクシーってことですか。

熊本 セクシーっていうかどうかわかりませんが、注目を集める感じ方が違う。外人が寝てるのをみると、ただの真っ白な体が並んでるだけで、いやらしさがない。

二松 あれは剃ってる人が多いんじゃないのですか。

熊本 そこまでわからないけど。どちらにしろブロンドだったからあんまり目立たないのかな。

二松 先生、医学用語で陰毛って何て言うんですか。

熊本 プービックヘアって言うの。プービックっていうのは思春期って意味もある。PUBIC。

二松 思春期に生える毛っていうことですね。

熊本 しかし、ドイツ語だとシャムハーレ。SCHAMHAARE。恥ずかしい毛ということ。

二松 じゃあアメリカ人のドクターは。

熊本 英語のプービックヘア。思春期の毛。

二松 なるほど…閑話休題!先生、日本ってアダルトビデオを見る男性は多いけれど、セックスの回数って世界で一番少ないって言われてますよね。アダルトビデオの市場がこれだけあるのになぜセックスの回数が少ないんですか。

熊本 日本人はセックスに関して行動よりも気持ち、関心と言った方がいいかな、行動力が低いので、それが割と先に出てくるんだと思いますよ。だからアダルトビデオが売れる。

二松 マスターベーションはするけれど、奥さんとはしていないってことですよね。

熊本 奥さんでしないっていうのは僕もよく分からないけども、やっぱりコミュニケーションの問題でお互いに魅力を感じるかどうかということは大切ですよね。結婚した当時はセックスしているけど、だんだん魅力が無くなって、しかも日常性になってくると、いわゆる女性としてセクシャルデザイア―を喚起するようなことがなくなっていく…。肉食系の外国人に比べて、日本人はやはり草食系と言えませんか。大豆の多い食事の関係もあるのではと思います。大豆にはイソフラボンという女性ホルモン用作用のある物質があり、それが男性の男性ホルモン力を抑えているのではという意見があります。若者で肉の大好きな人は元気ですものね。

次回でこの特別企画も最終回です。次回はオキシトシンについての話題を提供いたします。

>>>『Dr.熊本×二松まゆみの男女の「なぜ?」に迫る』バックナンバーはこちら

 

熊本 悦明(くまもと・よしあき)
日本 Men’s Health 医学会理事長、札幌医科大学名誉教授

東京大学医学部卒業。東京大学講師(泌尿器科学講座)を務めたのち、札幌医科大学医学部泌尿器科学講座主任教授。男性医学・泌尿器科外科学・尿路性器感染症学を中心に研究を進め、日本 Men’s Health 医学会及び日本性感染症学会を創立している。
その後、(財)性の健康医学財団会頭を経て、現在、札幌医科大学名誉教授、(財)性の健康医学財団名誉会頭、NPO法人アンチエイジングネットワーク副理事長、日本抗加齢医学会顧問、日本思春期学会顧問、日本性機能学会名誉会員など

【受賞】
保健文化賞、志賀潔・秦佐八郎賞
日本泌尿器科学会:坂口賞・鈴木賞

HP:日本臨床男性医学研究所


二松 まゆみ(ふたまつ・まゆみ)

元主婦マーケティング会社経営。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名を集め、恋人・夫婦仲相談所 運営。所長を務める。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。著作、講演、メディア取材多数。NHK離婚特集番組、セックスレス問題を考える番組等に出演。

【著書】
『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気付づいたワタシ』(扶桑社新書)
『夫とは、したくない。』(ブックマン社)他多数。
新刊『40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣』(扶桑社)

HP:恋人・夫婦仲相談所
ブログ:『すずねドキドキブログ』

 

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