アンチエイジングニュース

 

 

生物として本来持つ感覚“五感”も、年齢と共に衰えていきます。老化予防の方法として、見た目のケアやインナーケアなど様々な方法がありますが、本企画では “五感”に焦点を当てたアンチエイジングを実践するコツをお教えします!

ガイドしてくれるのは、アンチエイジングや美について議論を深めながら追求していく双方向型セミナー「塩谷塾」の卒業生たち。それぞれの専門分野における、“五感”に特化したアンチエイジングの秘訣とは?

 

さて、前回はフィトセラピー(植物療法)による自然治癒力UPとアンチエイジングの密接な関係についてお伝えしました。ちょっとおさらいです。

 

植物が自ら作り出すフィトケミカル成分(植物化学成分)には、様々な作用がありますが、その一つが「抗酸化作用」で、活性酸素が体内の細胞を酸化(=老化)させるのを防いでくれます。

フィトセラピーでは、より美しく、より健やかに生きるために、ハーブや精油を活用し、植物の持つ様々な働きによって自然治癒力の活性化に努めます。

そのうえで大切なことは、「五感を生かして心地よさを体験すること」です。

良い香りは嗅覚を、心地よいマッサージは触覚を、美味しくてキレイなハーブティーで味覚・嗅覚・視覚を、そして瑞々しい植物を眺めることで視覚をなどなど…。五感を通して、「心地よいな」という感覚が沸き起こります。

 

また薬草とも言われて来たハーブたちは、それぞれが多種多様な成分と機能を持っています。

たとえば、美容のハーブとして女性に人気のローズヒップには、ビタミンCをはじめビタミンEやフラボノイドなどが含まれています。

フラボノイドはポリフェノールの一種で、それ自体に抗酸化作用、デトックス作用があり、ストレス緩和や免疫調整、毛細血管の強化など様々な働きをします。さらにフラボノイドは、アンチエイジングに欠かせないビタミンCの働きを増強してくれます。そしてビタミンCは、活性酸素の攻撃によって壊されてしまったビタミンEの再生を助けます。 

このように個々の成分が互いに影響しあうことで相乗効果を生み出すのがハーブの特徴です。

 

ハーブティーでフィトケミカルを取り入れよう!
池田さんおすすめブレンド4選

たった一種のハーブであっても、多成分・多機能。お茶として飲むと、諸々の成分がお湯の中に抽出され、相乗効果が生みだされるのです。

ハーブティーは一種を単品で飲んでも良いのですが、2~3種をブレンドすると、それぞれのハーブの個性が合わさって、さらなる相乗効果が生まれます。またブレンドするという楽しみも重なりますので、おすすめのブレンドをご紹介します。

 

ヘルシー&ビューティーの代表格
「ジャーマンカモミール&ペパーミントティー」

レシピ:ジャーマンカモミール4:ペパーミント6

 

ともに消炎・鎮静・鎮痙・鎮痛作用を持ち、消化器系を調整してくれるので、心と体のリフレッシュにおすすめのブレンドです。カモミールのマイルドな香り、ペパーミントのすっきりとした味わいが混ざり合うことで、それぞれ単体で飲むよりも一層美味しくなります。ガラスのポットで淹れると、カモミールが湯の中でゆっくりと花開いていく様子が見られ、目にも楽しいハーブティーです。

 

女子力アップに
「ローズ&ベルベーヌティー」

レシピ:ローズ3:ベルベーヌ7

 

優雅な香りのローズと、鎮静、消化促進作用に優れたベルベーヌのブレンドは女性の味方。ローズの芳しさは心のささくれを取り除いてくれ、豊富なタンニンは口の中を浄化してくれます。植物成分には、その人その人の状態に応じて、ちょうどいい状態に持っていくという特徴があります。そうしたことからローズは、お腹がゆるい時にも、便秘の時にも使えるのです。レモンのようなすっきりとした香りのベルベーヌは、心身を穏やかにし、ストレスを取り除いてくれます♪ おやすみ前の1杯におすすめのブレンドティーです。

 

疲労回復と美肌に
「ローズヒップ&ハイビスカスティー」

レシピ:ローズヒップ5:ハイビスカス5

疲労回復、食欲不振、風邪予防やむくみ解消の他、美肌にもおすすめ。プリプリなお肌に欠かせないコラーゲン生成に必要なビタミンCがレモンの20~40倍含まれるというローズヒップと、さわやかな酸味と色が特徴で天然のスポーツドリンクと言われるハイビスカス、この2つは、数あるハーブの中でも有名なブレンドです。

 

腸の働きをサポートする
「ダンディライオン&フェンネルティー」

レシピ:ダンディライオン8:フェンネル2

 

食べ過ぎてしまったなという時、胃腸をすっきりさせたい時におすすめのブレンドです。またダンディライオンは単品でも継続的に飲むことで、肝臓や胆のうを強化して、腸内環境の改善に役立つ優れたハーブです。ミルクティーにしてもおいしいです。

 

💡

ハーブティーの淹れ方のポイントは必ず熱湯で抽出することと、温かいうちに飲むことです。

 

 

1滴に植物の恵みがギュッ。
アロマセラピーでアンチエイジング

植物の花、葉、茎、根、果実などから芳香物質を抽出した精油(エッセンシャルオイル)には、植物の持つ様々な芳香物質が高濃度に含まれています。

精油は種類によって様々な作用があり、また、1種類の精油にもこれまた複数の芳香成分が含まれていて、多様な効果を併せ持ちます。どの精油もアンチエイジングの視点では、使えるものばかりですが、ここではいくつかをご紹介します。

 

心と体の若々しさを保つ「ローズマリー」

ローズマリーが若返りのハーブと言われている所以は、血行促進作用や抗酸化作用の高さにより、心身の活性化を促すため。和名を「万年郎」と言いますが、これは“永遠の青年”を意味することからもおわかりいただけるでしょう。古代ギリシャ時代から脳に活力を与えることで、勉学の向上にも使われていたそうです。鎮静よりも活性に働くので、昼の使用をお勧めします。

 

芳香浴

 

使い方:マグカップ1杯分の湯に精油1~2滴

熱い湯に精油を垂らして、蒸気と一緒に香りをゆっくり吸い込みます。鼻粘膜を通してや蒸気を浴びることで肌からも、ローズマリーの有効成分を取り入れることができます。

 

アロママッサージ

 

使い方:植物油(マカデミアナッツオイルやホホバ油など)20mlに精油3~4滴

植物油に1%濃度になるよう精油を希釈し、よく混ぜて手や足、ボディをマッサージ。血行促進作用や肌の保湿などにより、冷えはもちろんのこと、肩こりや筋肉痛の解消におすすめです。

 

ローズマリー+レモンで認知症予防

ローズマリーとレモンのブレンドが、認知症予防になることが、最近注目されています。マスコミでも話題となり、すでにローズマリーとレモンがブレンドされたオイルが各社から販売されています。若い方にとって認知症は身近に思えないかもしれませんが、アルツハイマー型の認知症発症のメカニズムによりますと、予防は10~20年前から始めるのが良いようです。脳のアンチエイジングには、朝の芳香浴がおすすめです。

 

刺激が少なく多用途に使える万能精油「ラベンダー」

アロマセラピーの起源でもあるラベンダーの精油は、肌への刺激が少ないのが特徴です。そして多様な作用により用途が豊富なことも、アロマセラピーで頻用される理由です。代表的な作用は、消炎作用、鎮静作用等で、自律神経にはたらきかけるため、睡眠を促し、血行促進や体温調節、内臓の働きを活性化させるなど、生体リズムを調えてくれます。心と体の両面からアンチエイジングをサポートしてくれる、そんな頼もしいラベンダーの精油をぜひ身近に使いこなしてください。

 

ラベンダー+ベルガモットでリフレッシュ

 

 

柑橘系のベルガモットは、リフレッシュにもリラックスにもはたらき、ストレスを和らげ、不安や不眠の解消に役立ちます。ラベンダーとのブレンドにより、その特徴が一層際立ちます。ディフューザーで芳香浴をしたり、ルームスプレーにして気分やお部屋のリフレッシュを。

 

ラベンダー+フランキンセンス+ジュニパーのマッサージでむくみ解消

 

 

フランキンセンスは緊張を解き、呼吸を深くして免疫力アップにはたらきます。香りは奥深く神秘的でありながらほのかに甘くウッディ。ヒノキ系果実由来のジュニパーの精油は、老廃物の排出を促す作用を持ち、アロマセラピーではデトックスの頼もしい味方として有名です。この2つにラベンダーを加えたブレンドは、心と体のとどこおりを流して癒す香りです。アロマトリートメントオイルを使ってマッサージすると、むくみ解消に効果的です。

フィトセラピーの実践方法、いかがでしたでしょうか?

アロマもハーブも最近は手に入れやすくなり、たくさんの種類があります。 今回こちらでご紹介させていただいたものは、比較的親しみやすく、多用途なものばかりですので、初心者の方にも使いやすいと思います。

アンチエイジング。 それは美容目的ばかりではなく、人生100年時代と言われている昨今、より良い人生を生きるため、健康寿命を延ばすという点でも大変重要なことです。 心も体もいつまでも若々しく、健やかでいたい! そのために、フィトセラピーは大変効果的です。 細胞を酸化(=老化)させる活性酸素は、ストレスによっても増加してしまいます。

フィトセラピーによるアンチエイジング対策の良いところは、自分で、すぐに、手軽に出来ること。 五感を通じた心地よさがストレス軽減にはたらくばかりでなく、取り組む上でもストレスがかからないということもポイントです。 アンチエイジング対策にぜひ、実践してみてくださいね。

 

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池田明子

池田 明子(AKIKO IKEDA)

植物療法士/フィトセラピスト
ソフィアフィトセラピーカレッジ校長
西九州大学客員教授
一般社団法人日本フィトセラピー協会代表理事
一般社団法人日本ハンドケア協会代表理事
植生工学士

 

【経歴】

臨床検査技師として病院勤務の経験から、伝統医学に興味を持ち、その後ハーブやアロマなどフィトセラピー(植物療法)を学ぶ。 2006年東京・自由が丘にて「植物療法士/フィトセラピスト」と「ハンドケアセラピスト」の養成校を設立。 全国各地でフィトセラピーやハンドケアの講座を主催。近年は大学や専門学校などとコラボして、認知症予防や介護分野での有効活用の普及をしている。 著書に「ズボラ大人女子の週末セルフケア大全」(大和書房)「熟年離婚したくなければズボラ婚」(双葉社)「アロマセラピー使いこなし辞典」(世界文化社)など多数。 夫は俳優の梅沢富美男、2女の母。

》ソフィアフィトセラピーカレッジ
》オフィシャルブログ『ハーブ&アロマ 植物の癒やし』

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