アンチエイジングニュース

20171113()、東京の時事通信ホールで特定非営利活動法人アンチエイジングネットワーク主催、特定非営利活動法人日本抗加齢協会共催の「アンチエイジングセミナー2017 カラダの中からアンチエイジング」が開催され、150名の参加者が集まった。

 

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まず最初に理事長の塩谷から「アンチエイジングセミナーは14回を数え、アンチエイジングに関することはすべて網羅した。今年は基本に戻ってカラダの中からのアンチエイジングというくくりにした」と今回のテーマを選んだ理由と、これから講演する3人の演者を紹介した。

 

小林暁子 先生(小林メディカルクリニック東京 理事長・院長)
講演1 『健美腸ライフ~健美腸で人生が変わる。美しく健康に!~』

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便秘薬や浣腸薬等の便秘関連薬市場は、今や年間300億円強の規模に拡大し、腸内環境が注目されてきた。小林先生のクリニックでは「便秘外来(健美腸外来)」を開設し、年間のべ15,000人程度の患者さんが受診されている。小林先生はご自身のクリニックで指導している正しい腸内環境改善方法を当セミナーで紹介した。

 

●腸の不調を抱える女性たち

女性ホルモンバランスの影響、偏ったダイエット、便秘薬や下剤に頼る、筋力・解剖学的理由、自律神経バランス、運動量の低下、抗生剤などの医薬品、核家族化・食品種類減、ストレスなどが原因で腸の不調を抱えている人が増えているとのこと。便秘に悩む女性は多いが、刺激系下剤の乱用は腸の炎症を引き起こし、腸がぜん動を起こさなくなってしまうので問題であると小林先生は警鐘を鳴らす。

 

 腸の英才教育

小林先生は子どもが生まれる前から腸の英才教育を行うべきと語った。まずは誕生時、母親の産道で出会うはじめての菌が重要で、経膣分娩の子どもの方が帝王切開に比べてアレルギーになりにくい、帝王切開で出産した場合は、乳酸菌などを子どもに与えた方が良いという研究を紹介した。さらに母乳に腸内細菌が入っているため可能であれば母乳育児をした方が良いとのこと。

また、子どものうちから清潔に拘りすぎるのはよくないいう研究があり、ペットを飼うなど上手に菌に暴露されていると腸内環境が良くなり、アレルギーになりにくいとする報告も紹介した。

 

 ●腸内環境を良くするために

腸内には100兆個ほどの細菌が共生していて、どのような細菌かは個人差がある。腸内環境を整えるにはこれだけ食べていれば良いというのは間違いで、多様性を持たせるのが重要であると説明した。

腸の善玉菌は、病原菌の排除、栄養吸収、ビタミン合成、短鎖脂肪酸生成、セロトニン・ドーパミンといった幸福物質の活性、アレルギー反応、ケミカル物質のデトックスに関わっている。ストレスの感じ方も腸内環境が決めているという実験結果もある。

腸内細菌の多様性を上げることが大切で、住環境の整備、オリゴ糖などのプレバイオティクスや125g以上の食物繊維を摂る、ヨーグルトや漬物、納豆などの細菌を供給することが多様性アップに繋がると説明、一方、ヨーグルトを摂りつづけても体調が改善しない場合はそのヨーグルトがその人に合ってない可能性がある。

 

小林先生のクリニックでは、遺伝子検査、腹部エコー、大腸内視鏡などの検査に加え、簡単な体操の紹介をはじめとした健美腸セミナーを実施し、発酵食品と食物繊維が主役の健美腸メニューを開発していることを紹介した。

 

 

浜中聡子先生(ウィメンズヘルスクリニック東京 院長)
講演2 『今日から始めるホルモンマネジメント ~女性とホルモンの密な関係~』

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浜中先生は、上手に年を重ねるためには、抗酸化、デトックス、ホルモンマネジメント、抗肥満、精神的充実が大切であると紹介し、今回は特に「ホルモンマネジメント」を詳しく説明した。

 ●ホルモンの種類

ホルモンにはさまざまな種類があり、後述する「女性ホルモン」、一番命に直結する「甲状腺ホルモン」、骨や筋肉を育てる「成長ホルモン」、記憶力に繋がる「プレグネノロン」、むくみに関係する「アルドステロン」、睡眠に直結する「メラトニン」、ストレスに関わる「コルチゾール」が代表的なホルモンであると挙げた。

特に女性にとって重要な女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがある。

【エストロゲン】エストロゲンは女性らしさを引き出すホルモンで、髪のうねり、肌のつや、骨密度、コレステロール量、自律神経の安定、血流などに関係する。

【プロゲステロン】プロゲステロンは血栓のリスク、脂肪をエネルギーにするのを助ける、月経前症候群に関係する。

4852歳のうちに多くの女性が閉経のイベントを迎え大きくホルモンバランスが崩れる。ホルモンバランスが崩れると、更年期症状、肌の衰え、記憶力の低下、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム・心血管系の病気などのリスクが高くなる。40歳を越えたら自分のホルモン分泌量が年齢相応なのか、不足しているのかを医療機関で調べて、ホルモン分泌量が減っているのであれば、治療で体調改善が可能であると説明した。

 

 ホルモンバランスの崩れを改善する治療法

浜中先生はホルモン分泌量が減った場合の治療方法の種類を紹介した。

【サプリメント】サプリメントには田七人参・高麗人参という成分が使用されている場合が多く、女性ホルモンの乱れを改善してくれる働きがあるサポニンが含まれている。ハーブでは、大豆イソフラボン(エクオール)、マカ、ワイルドヤム、レッドクローバー、ブラックコフォシュ、プエラリアミリフィカ、チェストツリーが使われていることが多い。ハーブといえどもプエラリアミリファカに反応する人は不正出血が起きることもあるので乱用は避けて欲しい。

【漢方薬】漢方薬には桂枝茯苓丸、当帰芍薬散加味逍遙散のいずれかが処方されることが多い。漢方は効く人と効かない人がいる。

【ホルモン補充療法】保険診療の範囲では天然型ホルモンの選択肢が少ない。合成ホルモンは天然型よりも発がん性も上がり、血栓のリスクも上がるため天然型の方がよい。

内服、注射、外用剤があるが、注射は男性ホルモンとの合剤もあるので、何年も継続するのは止めていただきたい。

 

●ホルモンマネジメントの重要性~8つの秘訣~

(1)最後に浜中先生はホルモンマネジメントのための8つの秘訣を以下の通り紹介した。
(2)炭水化物以外の糖分には気を付けて
(3)高たんぱく、低脂肪食を目指しましょう
(4)飲酒はほどほどに
(5)理想な睡眠時間は6時間以上
(6)やっぱり運動が大事。まずは正しく歩くことから
(7)いつでも健やかに、そして前向きに
(8)自分のための時間も大切に

 

加藤タキ氏
講演3 『自分らしく、凛として輝いて生き切る』

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加藤タキさんは母48歳、父53歳の時に誕生した。当時は平均寿命50年の時代。熟年世代のご両親はタキさんの自立を大事にするため早めに子離れした。とくにお母様は「自分の頭で考え、自分で踏ん張って立ち、自分の心で感じることができる人。人と比べても何にもならない。人は人、自分は自分。挫折や失敗は恐れてはいけない。すべて明日以降の肥やしとなる」ということをタキさんに語りながら育ててこられた。

もうひとり、タキさんに多大なる影響を与えたのが、女優のオードリー・ヘップバーンさんである。1971年にタキさんがCMのコーディネーターを務めたことから、ヘップバーンさんと知り合い、その10年後に2回目のコーディネーターをしてかなり親しくなった。ヘップバーンさんからは、「人は自分と同じであるはずはないから、自分の価値観を人に押し付けない」ということを学んだ。

お母様とヘップバーンさんの考え方には共通点があり、タキさんの生き方に大きな影響を与えたそうである。タキさんは、「自分をよく見せようと思ったことがない。一所懸命、努力という言葉が大好き。人様の心の痛みを理解したい自分でいたいという気持ちを持ち続ける。失敗を恐れず、好奇心とチャレンジする心を持ち、行動に移す。この方と思ったら真似る。社会の一員であり続ける。誰かの役に立ちたい」と思いながら、72歳のいまも活躍し続けている。

67歳半の時から本格的に社交ダンスに取り組み、83歳のダンス仲間を目標にしている。ダンスは身体を動かし、ステップや振付を覚えることから記憶に関わる脳の海馬を刺激すると『ニューズウィーク日本版』や『ヘルスプレス』に掲載されている。

さらに、頭頂部から吊られている感じを意識して背筋を伸ばす、自分が得意なことを磨く、食事はよく噛む、サプリメントを飲むといった、タキさんが実践しているアンチエイジング法を紹介した。

 

 

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★アンチエイジング大賞

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