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アンチエイジング 美食スタイル

朝晩の冷え込みがどんどん増してきました。年々、季節の移り変わりが早くなっているように感じ、秋を楽しむ時間があっという間に過ぎていってしまいます。外出する時は寒さ対策と同時に、肌ケアもしっかりして冬本番に備えなければいけません。乾燥が気になる季節なだけに、肌のお手入れはもちろん、身体の内から潤いを保つために食事にも気をつけたいものです。

 

「美食スタイル」では、様々な漢方の生薬を食事に取り入れることで、寒さ、乾燥に負けない身体作りの提案を続けてきました。今回は乾燥の季節にぴったりな中国料理に多用されている乾物にスポットをあてて、ワンランク上のご提案をしたいと思います。年末にかけては何かと外食する機会が増えてきますよね。冬美肌の第一歩を踏み出すおすすめのレストランに行ってみませんか?

 

***広東料理の“乾貨”は冬の救世主***

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訪れたのは、東京・紀尾井町にある「ザ・シノワ テイストオブカントン」。贅沢さを追求したモダンチャイニーズレストランです。赤坂プリンスホテル跡地に建設された「東京ガーデンテラス紀尾井町」3階にあります。

 

中国料理でも南方系の広東料理は、「食は広州にあり」と言われるだけあって、鮮度の良い水陸の産物が多く、また“乾貨”と呼ばれるほど高級な乾物も豊富に揃っています。広東料理の特徴である、凝縮されたうま味、食感の良さ、食材を必要以上に手を加えず、素材を活かした調理法に、乾物はとてもマッチしています。ゆっくりと乾物を戻し、時間をかけて調理することによって最高の一品が生まれるのです。

同店では、乾物の中でも最高級品といわれる鮑をはじめ、フカヒレや燕の巣などを贅沢に揃えています。究極の“医食同源”の世界を演出する料理の数々は、血行促進や滋養強壮、疲労回復などの効果が期待でき、肌の保湿や潤いにも影響を与え、さらには喉や髪の毛など、寒さによる女性の悩みも解消につながることでしょう。

特に肌の乾燥や保湿をサポートしてくれる素敵な料理をご紹介します。

 

 

***凝縮されたうま味たっぷりな鮑は圧巻***

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同店の主役である干し鮑は、一週間水に浸して戻し、金華ハムやスペアリブなどと一緒に12時間かけ、ゆっくりと炊き上げたものです。新鮮な状態でも充分うま味がありますが、干すことで磯の香りと塩分が絶妙に浸透し、極上のうま味に濃縮されます。

「干し鮑(あわび)の煮込みグリーン野菜添え フォアグラと大根とともに」。歯触りよく感じた瞬間に広がるうま味と濃厚なフォアグラの相性は抜群です。
栄養価の高い鮑は、ビタミンB群のパワーがすごい!

・皮膚や粘膜を成長させるビタミンB2。
・成長した皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンB群のひとつナイアシン。
・細胞の生まれ変わりに欠かせないビタミンである葉酸。
・糖質代謝を促しエネルギーを蓄えることで疲労回復に役立つビタミンB1。

さらには、カリウムやマグネシウム、コラーゲンやタンパク質など、女性に嬉しい栄養素を挙げ出したらキリがありません。肌が乾燥することで肌細胞も活発に
働きにくくなりがちです。皮膚の成長を促すだけではなく、健康的に維持できるような優秀な鮑は、寒風や乾燥に負けない肌作りをサポートしてくれるのです。

 

***フカヒレの繊維質の艶やかさは美肌につながる***

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広東料理には、おやつや軽食としてお茶と一緒に楽しむ飲茶が豊富にあります。蒸し料理として楽しみたいのが、「点心師おすすめの3種蒸し點心」です。蒸籠の中から現れた鮑やフカヒレは美しくてかわいらしい。特にフカヒレがのった蒸し餃子は、皮の生地にレッドドラゴンフルーツの果汁で着色されているので鮮やかなピンク色(写真右手前)。これは見た目でも女性を喜ばせてくれますね。

中国では昔から「フカヒレを食べると長生きできる」と言われるほどに、フカヒレはアンチエイジングとしても取り入れたい食材のひとつ。注目すべきはコラーゲンの豊富さです。皮膚や血管などに含まれる繊維状のたんぱく質がコラーゲンで、その含有量はタンパク質の約30%になります。年齢を重ねることで体内のコラーゲンが減少し、肌老化を促進させてしまうので、コラーゲンの摂取はとても重要といえます。

気軽に楽しめる点心だけではなく、フカヒレの姿煮込みをはじめ、スープ料理でもフカヒレを思う存分堪能できますので、肌の潤いを感じながらじんわりと体も温めてあげましょう。

 

***美女の代名詞 楊貴妃の美しさは燕の巣から***

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次は「燕の巣入り杏仁風味の冷たいスープ」。デザートは食事の最後を飾る楽しみのひとつです。美しい白肌を彷彿させるような杏仁にうっとり。別添えされた燕の巣を入れていただきます。上品な甘さの杏仁とスーッと舌になじむ燕の巣の食感、食べれば自然と笑顔になってしまうほどのおいしさですよ。

燕の巣は古くから中国で珍重された食材のひとつ。世界三大美女の一人、中国唐代の皇妃である楊貴妃が燕の巣を愛用していたといわれているだけあり、特に女性には魅力的な食材です。肌細胞を再生する役割のタンパク質の一種である上皮成長因子という栄養素とは別の物質が含まれています。EGF(Epidermal Growth Factor)といい換えると、美容に敏感な人には「化粧品に含まれているアレね!」と納得していただけるかもしれません。保湿の役割が大きく、これからの季節に注目の食材といえるでしょう。さらに杏仁には、肌の乾燥防止に加えて、喉の乾燥や不調にも良いとされているので、この組み合わせは嬉しいですね。

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優雅な空間で高級食材となると、背筋がピンとなるような感じですが、ランチタイムのコースは3600円~と高級店でもお財布に比較的優しい価格です。ご紹介した以外にも乾物を使用した料理が多数あるので、ご友人とのアンチエイジングトークが盛り上がりそうですね。

 

【ザ・シノワ テイストオブカントン】

〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-2 東京ガーデンテラス紀尾井町 3階

TEL 03-6256-9881

営業時間
Lunch:11:00a.m-3:00p.m(LO 2:30p.m)/Dinner:5:30p.m-10:30p.m(LO 9:30p.m)

>>>ホームページはこちら

 

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>

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