アンチエイジングニュース

ec74befdae496e086d8ad7ee029cc846_s「帽子やヘルメットをかぶる人は禿げやすい」とよく聞きます。

髪の毛が気になる者として、見過ごすことのできないテーマです。

 

実際、1週間に帽子を2時間以上かぶる人は国内で2000万人にのぼり、特に工場作業員(約740万人)や土木・建築作業員(約400万人)が多いそうで、頭が蒸れて毛髪が気になるなどの悩みを持っています。

ところが今回、頭皮・毛髪や医用工学の専門家から成る「帽子内環境研究会」がその問題を明らかにするべく、ヘルメットをかぶって肉体労働をしたとの想定で実験を行い、その結果を発表しました。

 

実験は今年4月13~17日、東京都内で実施し、成人男性51人にヘルメットをかぶってもらい、3時間、自転車型トレーニングマシン有酸素運動を行ったそうです。

そして、ヘルメット内部の温度と湿度をリアルタイムで計測し、さらに運動前、運動後、そして運動後に洗髪した後の計3回、頭皮の血流と汚れ具合、付着している細菌の量をそれぞれ測定しました。

その結果、実験日の気温が最高19~23度だったのに対し、ヘルメット内部は運動開始後30分程度で約30度に達することが分かりました。

また、外の湿度も平均31~96%であったにもかかわらず、約80%~100%に上昇していました。

頭皮は運動前の状態でも、食品衛生検査の不合格基準よりも汚れており、運動後にはさらに悪化していたそうです。

 

細菌検査の結果では、ニキビの原因となるアクネ菌や呼吸器感染症を起こす肺炎桿菌など13種が確認されましたが、運動後には菌数が増える傾向にあったそうです。

また、不快指数で換算すると「ほぼ全員が不快と感じる」80台に相当し、運動中、ヘルメットや帽子の中は明らかに不快環境にあるとされています。

 

以上の結果から、過酷な帽子内の環境が頭皮や毛髪に悪影響を及ぼす事が考えられ、時折帽子を脱いだり洗髪をすることが大切、と結論しています。

 

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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