日本はオーラルケア後進国!?海外では「歯」が印象を左右する!アンチエイジングのためにも正しいオーラルケアを
ドライマウスや歯周病など老化を進める要因となる歯の健康状態。アンチエイジングのための重要な要素として正しいオーラルケアが必要であり、たびたび特集でも取り上げて来ました。
日本人は清潔好きで、健康にも気を使っている方が多い国民だと言われていますが、オーラルケアの分野ではまだまだ改善の余地がありそうです。
パナソニック株式会社がおこなった、日本・アメリカ・ドイツを対象にした、国別のオーラルケアへの意識実態について調査結果をみると、他の2国に比べてオーラルケアに対する意識が低く、現在のところ「日本はオーラルケア後進国」といえそうです。
また、調査結果を踏まえ、専門家による正しい口腔ケアのアドバイスも。ぜひ、毎日の口腔ケアを見直すきっかけにしてみてください。
~パナソニックが行ったオーラルケアに関する調査より(一部抜粋)~
オーラルケアのために普段使用しているものは?
「電動歯ブラシ」はドイツが53.0%、アメリカが39.0%に対し、日本は16.0%の結果に。また全体で見ても、日本はいずれの種類も使用率が一番低く、オーラルケアへの意識やオーラルケア用品の用途への理解がまだまだ進んでいないことが伺えます。
日本は正しい歯周病対策が出来ていない?
オーラルケアの目的は虫歯予防など様々ですが、その一つに歯周病予防があります。歯周病予防として、TOPは各国ともに「丁寧なブラッシングをする」ですが、アメリカやドイツでは「歯周病対策効果の高い歯磨き粉を使う」や「歯周病対策効果の高い洗口液を使う」など、様々な予防・対策を行っていることが伺えますが、日本は「丁寧なブラッシング」以外のケアは30%を割っています。
歯周病対策のセルフケアとして、歯面清掃に加え、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)の清掃が重要ですが、日本ではまだまだブラッシング以外の方法が浸透していないことが分かりました。
口臭対策に自信がある方は、アメリカ・ドイツは約7割に対し日本はわずか約2割!
続いて、長引くマスク生活によって気になることが増えた口臭について調査。自身の口臭対策について質問したところ、「とても自信がある」「やや自信がある」と答えたのは、日本は19.0%に対して、アメリカは68.0%、ドイツは79.0%と大きな差が生まれました。
実際に、口臭対策をどの程度意識しているかの質問には、日本は「とても意識している」と回答したのが32.0%に対し、アメリカは54.0%、ドイツは74.0%と、口臭対策への関心度合でも差が顕著に。
日本では、口臭が発生する原因を正しく理解していなく、効果的なオーラルケアを実践できず、口臭への自信のなさにもつながっているのかもしれません。
口臭対策に自信がある方は、アメリカ・ドイツは約7割に対し日本はわずか約2割!
歯が与える印象についても調査を行いました。初対面の人と会うときに、相手のどこをよく見ているかを質問したところ、「目」は各国上位に。一方で、「歯(歯並びや色)」は日本では5位に対し、アメリカは2位、ドイツは1位と、見た目における歯の重要度の違いが浮き彫りになりました。
実際に、「歯並び」や「歯の白さ」の予防・対策について「とても意識している」と答えた方は、「歯並び」は、アメリカでは43.0%、ドイツでは42.0%に対し、日本では13.0%。「歯の白さ」は、アメリカでは44.0%、ドイツでは40.0%に対し、日本では10.0%の結果に。「歯=印象を左右するもの」という意識が日本では非常に低いことが分かりました。
ステイホームでの歯科医通院の減少で、自宅のオーラルケアにも意識変化
最後にステイホームとオーラルケアの関係についてです。行動様式に変化をもたらした新型コロナウィルスですが、オーラルケアにも影響を与えているのかを質問したところ、以下のような回答が寄せられました。
「前は、歯医者に定期的に行ってケアをしていたが、コロナ禍で行かなくなり歯茎が弱ってきた(日本60代女性)」「歯科通院の頻度が大きく減った。また、自宅でのブラッシング時間が増えた。(日本30代男性)」
「通院できなかったため、歯磨き・フロス・ゆすぎを徹底した。(アメリカ60代女性)」「以前よりも時間があるため、歯磨きや歯の手入れに費やす時間が増えた。(アメリカ40代女性)」
「オーラルケアに以前よりも時間と手間をかけている。ホワイトニング剤も使用し、たまに普段よりも1回多く歯を磨くこともある。(ドイツ30代男性)」「通院するまでの期間が開く時は、普段よりも頻繁に口をゆすいで、歯磨きも入念にする。(ドイツ女性20代)」
各国ともに、コロナ禍で歯科医に行く頻度が減った分、不安が増え、自宅でのオーラルケアをより入念にしていることが分かりました。
[調査概要]
・エリア:アメリカ、ドイツ、日本(各国全土)
・調査対象:20歳-69歳・男女各国100人・計300人
・調査期間:2021年6月17日(木)~2021年6月25日(金)
・調査方法:インターネット調査
専門家に学ぶ!人生100年時代、健康な歯を維持する方法
海外と日本でのオーラルケアの事情の差が浮き彫りになりましたが、その背景について歯学博士の照山裕子先生に解説いただきました。
「『笑顔の文化』が定着している欧米では、白い歯や整った歯並びが笑顔の必須条件になります。清潔感のある口元は単に相手に与える印象を良くするだけでなく、かみ合わせのバランスを保つことで健康な食生活の維持に繋がり、虫歯や歯周病といったさまざまなトラブルを回避する予防医療の要として論理的に捉えられていることは日本と大きく違う点です。キスやハグといったスキンシップの文化がある国では、相手との距離が近いという慣習もオーラルケアに対する意識を高めていると言われます。口臭マナー対策としてデンタルフロスやマウスウォッシュの習慣が根付いているのも、こうした背景があるのではないでしょうか。
オーラルケアは、歯科医院で行うプロケアと自身で行うセルフケアの両輪から成り立っていますが、プロケアが3~6ヶ月に一回といった頻度なのに対し、毎日2~3回行うのがセルフケアです。時間に換算してみると圧倒的にセルフケアが占める重要度が高いのですが、海外では当たり前のこうした認識が日本ではまだまだ浸透していないように感じます。患者さんに『お口の主治医は自分自身ですよ』とお話しし、日々使用するツールのクオリティがいかに大事かを伝える理由はここにあります。」
照山先生が伝授!人生100年時代、健康な歯を維持するケア方法
それでは、実際に健康な歯を保つために、日ごろどのようなお手入れをすれば良いのでしょうか?パナソニックから9月1日に新発売する「音波振動ハブラシ ドルツ」(EW-DT52)やタンク伸縮式口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ」(EW-DJ41)、発売中の舌磨きノズル付き「ジェットウォッシャー ドルツ」(EW-DJ74・54)を用いた、効果的なケア方法を照山先生に伺いました。
正しい歯磨きができている人は10人に1人。オーラルケアを正しく、効果的に行うための方法は?
近年、歯や口が健康であることが身体全体の健康を左右し、健康寿命の延命にも繋がると様々な研究で明らかになっています。そのために重要なのは、口の中を衛生的に保つことと、かむ力を高めること。毎日の歯みがきもその第1歩となります。
実は日本人は、毎食後歯磨きをするなど、歯磨き習慣があるにもかかわらず歯周病が多く、正しい歯磨きができている方は10人に1人ほどしかいません。鏡を見ずに歯磨きをするなど、歯磨きの回数は多くても、効果的な磨き方を実践できていない方が多いと言われています。
間違った歯磨きは、歯や歯茎を傷め、落としきれていない汚れは口臭や歯周病の原因にもなります。歯ブラシをグーで握りゴシゴシ音を立てて磨いていたり、1カ月しないうちに歯ブラシの毛先が開いたりするのは、オーバーブラッシング(磨きすぎ)の状態です。
磨きすぎは歯茎下がりを招き、歯茎は一度下がると元には戻らないうえ、歯の根元が露出し虫歯になる「根面う蝕」を招く可能性があります。磨きすぎを防ぐことは、大切な歯を長持ちさせる意味を持ちます。
また、汚れがたまりやすい歯と歯の間や裏側をしっかり磨けていないと、ぬめり汚れが歯石となり、口臭や歯周病の原因にもなります。磨きすぎと磨かなさすぎ、いずれも問題となるのです。
適切な歯ブラシ圧は「100~200g程度」とされていますが、実際にどのくらいかを自分でコントロールしながらのブラッシングは非常に難しいのが現状です。電動歯ブラシの場合は、モーターの力に加えてこすってしまうと、歯への負担が非常に大きくなるため要注意。「音波振動ハブラシ ドルツEW-DT52」ならば、アプリで押し付けすぎを画面でお知らせしてくれます。また、電動歯ブラシを使用する際は、研磨剤の少ないジェル状の歯磨き粉を使用すると、歯への負担も少なくなります。
さらに、アプリではスマホ画面で歯科医監修の歯磨き方法と自分の磨き方を比較しながら磨けます。極細毛、W音波振動、微細な動きで歯周ポケットの内の歯周病の原因プラークをかき出すのに最適です。ヘッドが薄いブラシは奥歯の奥までケアすることができます。
「ジェットウォッシャー ドルツ」は磨きにくい歯間や歯周ポケットもしっかり汚れを洗い流し、リズミカルな水流による歯茎への刺激で、約3日で歯茎の健康を推進します。細かなすき間汚れを洗い流し、手磨きでは得られないスッキリ感を確認できるはずです。
歯周ポケットや歯間部を好む歯周病の原因プラークが増える環境を作らないためにも、「音波振動ハブラシ ドルツ」と「ジェットウォッシャー ドルツ」は日常に取り入れていただきたいアイテムです。
ブラッシングの順番について、表側を時計回りにぐるっと一周、次に裏側も同じように・・・といった指導を歯科医院で受けたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。しかし、こうしてやり方をルーティンにしても、動かし方の癖によって磨き残しがでてしまうのが通常です。利き手の裏側や、手首を返してブラシを持ち替える場所などは特に疎かになりがちなポイントですが、「音波振動ハブラシ ドルツEW-DT52」なら、歯磨きの開始箇所や使うブラシを設定することによって、歯科医が監修した正しい磨き方をアプリ内の動画で教えてくれるから安心です。頼もしいパーソナルトレーナーのような存在になってくれます。
また、1日3回の歯磨きのうち、歯周病予防に一番大事な歯磨きは夜です。起きている間は唾液が循環しているため汚れも流れますが、寝ている間は唾液の分泌が減り口の中が乾きやすく、汚れが留まりがちになります。寝る前に重点的なケアをしましょう。
マスク生活で特に気になる口臭には「舌磨き」
コロナ禍での生活スタイルの変化によるお悩みの一つが、マスク着用時の口臭。一方で、口臭の原因や適切なケア方法については浸透していないと感じます。中でも特に知っていただきたいのが、舌のケアの重要性です。
歯に付く歯垢(しこう)と同様に、舌にも「舌苔(ぜったい)」という汚れが付着します。唾液が潤沢に分泌されている状態では、食べかすや舌から剥がれ落ちた細胞は自然と流れていきますが、薬剤の影響やストレスなどで口が渇く場合は、こうした汚れが舌に定着しやすい環境を招きます。
舌苔は口臭の原因となるだけでなく、味覚にも影響を与えることがわかっています。味覚を感じる味蕾(みらい)という感覚器の半分は舌表面に存在しています。味刺激が味蕾を通じて大脳の味覚中枢に伝わり、視覚や嗅覚など他の感覚とともに「おいしい」を感じる仕組みがあるため、舌を清潔に保つことは糖分や塩分の過剰摂取を防ぐ作用も期待できるのです。
東洋医学では舌は健康のバロメーターと言われ、全身状態が現れる指標のひとつとして色や形を診る項目があります。また、口腔がん(口の中にできるがん)の多くが舌に好発するため、セルフチェックを欠かさないことで、変化に気づく目が養われるメリットもあります。舌の汚れは優しく浮かせるようなイメージでケアすることが大切なのですが、力いっぱい擦ることによって逆に粘膜を傷めてしまう方も見受けられます。舌への刺激を軽減し汚れを落とすことが重要です。
照山 裕子
歯学博士。東京医科歯科大学非常勤講師(顎義歯外来)。厚生労働省歯科医師臨床研修指導医、日本アンチエイジング歯科学会理事を務める他、フリーランスの歯科医として複数のクリニックで診療を行う。ウェルビーイングの視点から、生涯を通じた口腔衛生管理や予防医学の重要性を提唱。テレビやラジオでのわかりやすい解説が評判となり、雑誌コラムや新聞連載、書籍執筆など文筆家としても活動している。
毎日のお手入れに、パナソニックのオーラルケア商品
照山先生の解説内でも登場した、パナソニックのオーラルケア商品はこちら(2021年9月1日発売予定)
情報提供:パナソニック株式会社
執筆:アンチエイジングネットワーク事務局
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします