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塩は、私たちの食生活にとても密接している調味料のひとつです。夏の暑い時期は汗をかきやすくなるため、塩分摂取を促すよう意識をしていた人も多いはず。また、塩分摂取過多によって高血圧や動脈硬化、むくみなどが気になり、減塩を試みる人もいるでしょう。

 

季節は夏から秋へと移り変わり、食欲の秋がやってきます。暑い夏の体のダメージを秋に持ち越さないよう、今回は、「料理に塩を使わない」という提案をみなさんにしてみたいと思います。

 

 

食欲の秋をより楽しくさせる味わい

減塩ならばまだしも、塩を使わないというのは少々大胆かもしれませんが、塩に頼らずに素材のもつ本来のうま味を引き出し、おいしい料理を作ることが大テーマとなります。これは、フランスで活躍する松嶋啓介シェフによる提案なのですが、塩なしの料理は数年前からじわじわと話題になっていました。レシピサイトを検索してみても、意外に掲載数が多いことにびっくりします。

 

 

本来、体内における塩の働きは、食べ物を消化や殺菌をしたり、食べ物から得た栄養素の吸収に必要だったりします。また、細胞がしっかり働けるように細胞の浸透圧を一定に保ったり、筋肉の動きと神経伝達をサポートしたりするなど、役割は無数にあります。さらに、料理に対しても塩はとても大切な存在です。食材の余分な水分を排出したり、味を引き締めてくれたりします。

 

大切な塩ではあるのですが、日本人はどうも塩に頼り過ぎている傾向にあります。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、日本人の食塩平均摂取目標量は、男性7.5g/日未満、女性6.5g未満/日未満ですが、実際の摂取量は、男性 10.9 g、女性 9.3 g(「国民健康・栄養調査結果の概要」2019年)から有意な増減はみられないのが現状です。健康を保つ意味でも塩分摂取過多は良いものとは言えませんし、私たちは料理に置いて食材のおいしさを味わっているのではなく、塩の味で満足している可能性があるのかもしれません。

 

 

塩なしのレトルトカレー「休塩日のカレー」

では実際に塩なしの料理はどのようにすればよいのでしょう。松嶋シェフの著書『最強!塩なし料理理論』(主婦の友社)には、塩を使わずにおいしく料理を作るポイントとして、アミノ酸に含まれているグルタミン酸、イノシン酸、グアニル産、コハク酸の4つのうま味成分を掛け合わせて、うま味の相乗効果を活用させることや野菜や薬味、スパイスを使って、素材が持つ甘味や酸味などの味覚の掛け合わせを意識するなど、塩を使わなくても満足できる料理の提案がされています。

 

書籍の発売以降も、食塩不使用の弁当制作でコンビニエンスストアとタッグを組んだり、SNSで塩なし料理の発信をされたりしています。最近では、総合食品メーカー「ヤマモリ」から松嶋シェフ監修の「休塩日のカレー キーマ/バターチキン」が915日に発売されたばかりです。

 

 

左:「休塩日のカレー キーマ」(155g378円税込) 

右:「休塩日のカレー バターキチン」(160g378円税込)

 

商品名にもなっている「休塩日」とは。
【素材本来の旨みを感じ取り、自分の味覚と向き合うていねいな食事を各々のペースで取り入れる新たな食習慣です。健康に気遣っているつもりでも、つい味の濃い食事に手が伸びてしまう現代人が味覚をリセットする日として、お酒を控えて肝臓をいたわる「休肝日」になぞらえ名付けました。】とあります。

 

 

今回、塩なし料理初体験の私が実際に食べてみました。バターチキンを食べてみると、カレーソースのトマト味がまるでフレッシュなトマトを食べているかのようなしっかりと舌に伝わる感覚があり、ゆっくり口の中で風味が広がっていきます。塩が入っていると味が引き締まりますが、それが尖った味のように感じてしまうことがあります。しかし、これはやさしい口当たりです。一般的なレトルトカレーよりも内容量が少ないのですが、満足感がしっかりありました。

自宅で塩なしの料理をチャレンジする場合、食べ慣れないと違和感がある人もいるかもしれませんが、海藻類や野菜などには原料由来によるナトリウムなどが含まれているので、食材の組み合わせを考えながら作ってみるのも良いかもしれません。
塩なしの料理で体をリセットして、秋の食材をたくさん楽しみましょう。

 

 

伊能 すみ子

伊能 すみ子
INOU SUMIKO

食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中

●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』

 

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