アンチエイジングニュース

「睡眠と夜間にトイレに行く回数の関係」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(448)

最近、年齢のせいか、夜おしっこに行く回数が増えてきました。

中高年の男性には前立腺肥大がつきものですが、そのために夜間のトイレが近くなり、安眠できず、ひどい場合は次の日の仕事に影響するほどです。

ところが、おしっこが近いから睡眠不足になるのではなく、睡眠不足だからトイレに行く回数が増えるのだそうです。

中高年の人には気になる話題だと思いましたので、取り上げてみました。 

これは、デンマークのAarhus University HospitalのBirgitte Mahler博士が報告したものです(Mahler, B. Proceedings, American Physiological Society conference Sex and Gender in Cardiovascular-Renal Physiology and Pathophysiology, Austin, Texas, American Physiological Society.)。

研究では、20 名の健康なボランティア(男女10名づつ)に、通常の食事と飲み物を摂ってもらい、昼夜2日間研究室に寝泊まりして、尿量などを調べました。

そしてこれらの人には、ランダムに、夜睡眠を取れない群、逆によく眠れる環境の群に分け、交互にこの実験を繰り返しました。

すると、睡眠できない夜には、男女とも、尿の量が増える事が明らかになりました。

特にこの影響は、男性の方が強かったそうです。

すなわち、夜起きていると尿の生産が増えてトイレに行く頻度が高まり、特に男性が強く影響される、ということです。

そして、「夜におしっこの量が減るのは生物進化のおかげによるもので、夜にはよく眠れるようにと、身体が調節している」、と述べられています。

夜間にトイレの回数の多い人は、まずは不眠症対策のようですね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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