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「満足度の低い仕事や長時間労働は高血圧の原因に」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(441)

サービス残業に関する状況少しはよくなってきたのでしょうか?

この問題は日本に限らず、米国でも激しくなりつつあり、健康に及ぼす影響が心配されています。

カルフォルニア大学アーバイン校(UCI)労働環境衛生センターのDean Baker博士らは、カリフォルニア州の約5万5,000世帯を対象に実施された大規模データを利用し、労働時間に焦点を当てた研究を行ないました。

その結果、長時間の労働が高血圧のリスクを増大させる可能性が明らかになり、その内容を高血圧医学誌Hypertensionに報告して警告しています。

報告によりますと、週11―19時間労働する人に比べ、週40時間働く人では高血圧の発症率が14%高く、更に週41―50時間働く人では17%も高血圧リスクが高い事が分かりました。

また、時間とは無関係に、就いている職種も重要な意味をもつそうで、専門職に比べ、事務職では高血圧の発症率が23%高く、単純労働では50%も高かったということです。

さらに、仕事に対する満足度も重要で、高血圧の管理には十分な運動、適切な食事を心がけるのと同時に、できる限り満足の得られる仕事を見つけ、仕事よりも大切な人と一緒にすごす時間をもつ事が大切、と米国心臓協会(AHA)のDavid Meyerson博士はコメントしています。

いくら仕事が好きだといって、長時間労働はいけません。その仕事が気にいらない場合はなおさらです。

健康には、好きな仕事をホドホドにするのが、一番のようです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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