アンチエイジングニュース

「女性の薄毛の原因は、女性ホルモンの減少」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(427)

頭髪の悩みは男性だけではなく、女性にも共通の問題です。特に中高年になり、薄毛でお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。

そこで今回は、“女性の薄毛は、女性ホルモンの分泌減少により発毛に関係する遺伝子の発現が低下していることが、その原因”という話題です。

これは、(株)ライオンの研究者が、日本基礎老化学会大会で報告したものです。

通常、30歳代になると女性が薄毛に悩み始め、40歳代になると急増することが知られています。
またその時期に重なって、女性ホルモンの分泌量が減り、40歳代では急激に低下することが知られています。

このため、女性ホルモンの分泌低下と薄毛には、相関関係があると予想されていました。

そこで、研究者等は、発毛促進に関係するBMP(Bone Morphogenetic Protein:骨形成因子)と呼ばれるタンパク質の低下に注目し、BMPの遺伝子発現量が女性ホルモンの減少により引き起こされるのではないかと考えました。

培養した女性の毛髪の細胞(毛乳頭細胞)に女性ホルモンを添加して、その影響を調べたところ、女性ホルモンが存在すると、BMP遺伝子の発現量が正常に保たれる事が判りました。

また逆に女性ホルモンが減少すると、発毛を促進するBMPの生成が抑制されることも確認されたそうです。

さらに、女性ホルモンは、毛乳頭細胞内に存在するホルモン受容体「Estrogen receptor-β」(ER-β)の発現量を高める働きがあり、このER-βを通してBMPの遺伝子発現も高まることが明らかになったそうです。

この結果は、BMPの減少を抑える成分を開発することができれば、女性特有の発毛促進剤の開発につながる可能性があり、今後さらに研究を進めるということです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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