アンチエイジングニュース

「鶏肉は、大腸癌予防に有益」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(413)

大腸癌になる人が最近増えてきています。その原因として、西洋食を食べる機会が多くなってきたからだという説がありますが、厚生労働省もこの事態を重く見て、その研究に膨大な資金を投入しています。

そこで今回は、鶏肉好きの人は大腸癌になりにくい、という論文についてお知らせします。
これは、Dartmouth 医科大学のDouglas J. Robertson博士らが、医学誌American Journal of Gastroenterologyに報告したものです。
研究では、1,520人のボランティアについて、食べ物の嗜好性と、大腸癌の前駆体である大腸ポリポーシス、アデノーマの頻度を調べました。

その結果、鶏肉を多く食べる人は、下部消化器官に異常が生ずる頻度が、あまり鶏肉を食べない人よりも21%も少ないことが分かりました。

また、進行性の大腸癌になる頻度は、39%も低かったそうです。

またこの論文には、その他の食物摂取と大腸癌の危険率についても述べられています。

・大腸癌のリスクを下げるには、繊維質の食べ物を多く摂る。
 特に、果物、野菜及び穀物などの繊維質を摂る人では
 大腸癌の危険率は低い。

・ 赤身肉や脂肪の摂取しても、大腸癌のリスクは高まらない。

・ 魚を多く食べるからといって、大腸癌になりにくくなるとはいえない。

・ 加工肉を多く食べる人は、進行性のアデノーマになる危険率が高い。

これらを総合して、大腸癌の危険率を低下させるには、鶏肉を多く取ること、加工肉をなるべく食べない事が重要で、鶏肉に含まれるセレニウムイオンとカルシウムが良いのではないかと述べられています。

また、鶏肉を食べる人はその他の加工肉を食べる機会が少なく、大腸癌になりにくいという可能性も考えられるそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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