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Vol.9 低下する女性ホルモンは「エクオール」で補おう

大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする成分が含まれていることはよく知られています。
イソフラボンは、年齢とも減ってしまう女性ホルモンの働きを補い、女性ホルモンが少なくなることで悪化する「更年期症状 」や「骨粗しょう症」といった様々な問題を軽減させるといわれています。また、2013年度版乳がんの診療ガイドラインには、大豆イソフラボンは乳がんのリスクを軽減する可能性があるとすでに記載されており、婦人科の専門医では周知の事実になっています。

そして、ここ数年、そのパワー源が「エクオール」という成分だと示唆されています。

■「エクオール」とは
大豆イソフラボンは、“ダイゼイン”“グリシテイン”“ゲニステイン”の3種類に大別されます。そのうちの“ダイゼイン”が腸内細菌によって代謝されると「エクオール」に変化して体内に吸収されます。また、“ダイゼイン”のまま体内に吸収されるよりも「エクオール」として体内に吸収されるほうがより効果的に女性ホルモンの働きを補います。
“ダイゼイン”を「エクオール」に代謝する腸内細菌“ラクトコッカス20-92株”は乳酸菌で、安全性の高さも証明されています。

■エクオールは誰でも生成できるわけではない
「エクオール」は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするほか、エストロゲン受容体への親和性が高く、エストロゲンが過剰なときはそれを抑えるなど、大豆イソフラボンの中心的な役割を担っていると考えられています。

「エクオール」ができるか否かは腸内細菌に依存していて、欧米人よりアジア人の方が多く作れることがわかっています。
なお各国の「エクオール」産生者の割合をみると、大豆を食べる日本・中国・台湾の50%に対し、大豆食の習慣がない欧米系は30%前後と低い結果となっています。
エクオールの産生率が低い理由は、日本国内においても20代の若者の産生者の割合は20~30%と低く、食生活の欧米化で大豆製品を摂取しなくなっていることが、原因と推測されます。

■乳がんのリスクと「エクオール」
以上のような調査から、大豆製品を頻繁に摂取している日本人の方が、乳がん罹患率が欧米より低いこともあり、近年乳がんリスクと「エクオール」の産生力に関連性があるのではないかと示唆されています。英国人での調査結果ですが右図のように、「エクオール」産生者では乳がんリスク低いとする研究結果も示されています。(出典: Ingram D, et al., Lancet, 1997 )

乳がんの発生は、20歳過ぎから認められ30歳代ではさらに増え、40歳代から50歳代がピークで、それに伴い死亡者数も増えるなど、働く女性、子育てする女性にとって“大敵な病”となっています。

■更年期の症状改善に関連がある「エクオール」
大豆イソフラボンに含まれる“ダイゼイン”“ゲニステイン”の尿中に排出された量を測定したところ、症状の重い女性の尿には「エクオール」量が少なく、症状の軽い女性の尿には「エクオール」が多いという結果が出ました。この結果、更年期の症状に関連があるのは、大豆イソフラボンではなく「エクオール」であることが判明しております。

■更年期症状の重い人は、エクオール排出量が少なかった
女性108人を対象に、以下のような研究が行われ大変興味深い結果が出ております。

2日間の食事調査を行い、食事調査の最終日に24時間尿を蓄積し、尿中のダイセイン、ゲニステイン、エクオール量を計測。同時に、更年期症状についてのアンケートを行いスコア化した。すると、更年期症状の重い人と軽い人では、尿中のダイゼインとゲニステインの量に大きな差はみられなかったが、症状の重い人のエクオール量は明らかに低かった。(出展:日本更年期医学会誌 15:28-37,2007)

大豆製品を過剰に摂取する必要はありませんが、納豆やチーズなどの発酵食品や食物繊維を多く摂取して腸内環境を整え和食中心の食生活に改善すること、イソフラボンの活性代謝物であるエクオールを含む食品を摂ることで、将来の健康リスクを軽減することが期待されます。

自分のエクオール産生能力を調べるには?
>> ソイチェック

情報提供:大塚製薬

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