アンチエイジングニュース

【特別企画】専門家が男女の「なぜ?」に迫る Vol.1 (2)

二松 女性は皆が皆、草食男子が好きなわけではないんです。やっぱりたくましい男性に憧れている人は多い。ただ、男性が今までと違ってお弁当作ってくれるとか子育てやってくれるって、それはそれで日々の生活には「便利→快適」なわけですよね。でも仕事への意欲がなくて、いざというときにやっぱり頼りにならないっていう意味では、そこはいかがなものかっていう女性は多数だと思うんですよね。性の面でも、問題は起こります。うちの夫婦仲相談所には 夫の性欲がまったくなくて、自分の性欲をどうしていいかわからないとういう悲惨な相談はあとをたちません。

熊本 ある意味、女性は現実的というか打算的というか…

二松 そうなんです。年代とか自分の立場、生活状況によって男性の見方が変わってくるというのはあります。
女性の場合、結婚と出産と子育てがあるからやっぱり自分に利益のある男性を本能的に選ぶというのはあると思います。婚活なんかそのいい例ですね。条件をあらかじめ決めてから動き出す。

熊本 付き合う付き合わないに関係なく、男性は女性の中に何か神秘的な秘密があるのではないか、その秘密をつまびらかにしたいという気持ちから、近づいていくんです。男同士だと別に秘密を感じないわけですよ。女性に対してはなんとなく興味ある秘密を感じている。その女性がきれいで格好良くしていればなおさらだけども。そうじゃなくてもなんとなく女性っていうものに対して秘密を感じていて、それに惹かれているっていうか…それは何かなと思って考えてみると、例えばエベレストに登りたいとか、探検したいっていう思いとあまり違わないような気がするんです。

二松 そういう感覚は女性にはないですね。男性と女性の一番の違いじゃないでしょうか。私の周りに「男性って神秘的」という感想を持つ人はいません。わかりやすい体育会系男性が好きと言う人はいますけれど。

熊本 男性は女性を見たときに何かしら解き明かしたいみたいなものがあって見ているだけでなく、何らかの男にない美しさへの憧れというか綺麗な優しさのイメージへの願望意識というか…そんなものも持っていると思うんです。それは特定の個人だけではなく、広く一般の女性全体に対して持っていると言えることだと思うんですね。女性はこういう感覚はないのですか?

二松 女性は熊本先生がおっしゃるようなイメージや意識は持たないと思います。特定の男性の場合に対してのみ、もっと現実的なことを考えます。私の好みのタイプだから、デートに誘ってくれないかとか、イケメンだから一緒にいるとみんながうらやましがるかなとか。
カレを解き明かしたいというよりカレが自分に興味があるか知りたいというレベルではと。

熊本 現実的なことというと?

二松 付き合うとか、結婚すると幸せになれるかとか、抱かれたいとか。
ただ女性は本能的に男性にこういう風に見られているというのはわかっているので、わざと隠そうとか、なんか恥ずかしがるとか、そういう態度はとりますね。女子会だとエッチな話もするけど、男性が1人入るとちょっと気を使うみたいなことです。それを打算的というか現実的というかっていうとちょっと違うかもしれないですけど。

熊本 女性は男性をより現実的な生き物として見ているという気がしますね。でもわれわれ男性は具体的な人間じゃなくて女性っていう概念の中にロマンチックな秘密を感じているわけですね。

二松 そうかもしれません。私たち女性はむしろ秘密がない男性のほうが好き。裏表がない人のほうが「誠実」っていうくらいですから。隠れて浮気なんかされた日には、それはもう怒り最大級です。

熊本 男性に対して「女性とは何ぞや」という問いかけをすると、結構ロマンチックな答えが返ってくると思うんです。これは幼稚園児から老人まで一貫してあまり変わらない。女性に対して「男性とは何ぞや」という問いかけをしたらどんな答えが返ってくると思いますか?

二松 人によって様々ですが、「守ってくれる」「頼りがい」のほかに子供を育てる同士。ほかにATMとかいう人もいます。

熊本 それはひどい。そんなことを聞かされたら、男性はショックを受けて寝込んでしまうかもしれませんね。
さて、女性の現実的な面を教えていただいてショックを受けたところで、次回はもう少し突っ込んで男性と女性の違いを明らかにしていきたいと思います。

>>>『Dr.熊本×二松まゆみの男女の「なぜ?」に迫る』バックナンバーはこちら

熊本 悦明(くまもと・よしあき)
日本 Men’s Health 医学会理事長、札幌医科大学名誉教授

東京大学医学部卒業。東京大学講師(泌尿器科学講座)を務めたのち、札幌医科大学医学部泌尿器科学講座主任教授。男性医学・泌尿器科外科学・尿路性器感染症学を中心に研究を進め、日本 Men’s Health 医学会及び日本性感染症学会を創立している。
その後、(財)性の健康医学財団会頭を経て、現在、札幌医科大学名誉教授、(財)性の健康医学財団名誉会頭、NPO法人アンチエイジングネットワーク副理事長、日本抗加齢医学会顧問、日本思春期学会顧問、日本性機能学会名誉会員など

【受賞】
保健文化賞、志賀潔・秦佐八郎賞
日本泌尿器科学会:坂口賞・鈴木賞

HP:日本臨床男性医学研究所


二松 まゆみ(ふたまつ・まゆみ)

元主婦マーケティング会社経営。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3千名を集め、恋人・夫婦仲相談所 運営。所長を務める。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察。恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。著作、講演、メディア取材多数。NHK離婚特集番組、セックスレス問題を考える番組等に出演。

【著書】
『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気付づいたワタシ』(扶桑社新書)
『夫とは、したくない。』(ブックマン社)他多数。
新刊『40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣』(扶桑社)

HP:恋人・夫婦仲相談所
ブログ:『すずねドキドキブログ』

 

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