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現役薬剤師・福田明弘さんに「サプリメント」を上手に選ぶポイント・コツを聞く『サプリメントの選び方』。今回は『抗酸化』について掘り下げてみたいと思います。
世の中には様々なサプリメントが販売されていますが、その成分について調べてみると、多くの成分に「抗酸化物質」とか「抗酸化力が強い」などと説明されていることがわかります。
抗酸化物質というのは、積極的に摂る必要があるのでしょうか?そもそも、抗酸化物質とはどんな物質でしょうか?そんな素朴な疑問を福田さんにぶつけてみたいと思います。

Q.それではまず基本的なところからお願いします。そもそも「抗酸化」って何でしょう?
A.「酸化」とは物質が酸素と結びついた状態をいいます。鉄にたとえると、さび付いた状態です。「抗酸化」とは、身体がさびていくこと、老化していくことを防ぐ、あるいは遅延することを表現しています。酸素は生きていくために必要な物質ですが、活性酸素やフリーラジカルとして身体をさび付かせることもあります。酸化力が強いため、たんぱく質の変性や脂質の過酸化、DNAの損傷などを引き起こします。これが老化や様々な疾病、さらには「がん」の原因にもなるのです。
この抗酸化の作用を持つものをすべて抗酸化物質といいます。花や植物などに含まれる色素や、私たちが日頃から食べている野菜や果物などにも含まれています。
各種ビタミン、カロテノイド類、ポリフェノール類、その他コエンザイムQ10やα-リポ酸などの補酵素など多岐にわたります。

Q.抗酸化物質の摂取に上限はありますか?
A.「上限値が設定されているもの、設定されてないもの、上限値等の評価がされていないものなど様々な場合があります。例えばコエンザイムQ10ですと、食品安全委員会からは、1日摂取目安量の上限値を300mg以下と設定したいという報告も出されています。ビタミンなども食事摂取基準で「耐用上限値」として設定されているものもあります。ブドウの皮などに含まれるアントシアニンや、マリーゴールドの黄色い色素ルテインなどは上限値の設定がありません。食べすぎても意味のないもの、食べ過ぎると良くないものもありますので、商品にあります「目安量」や「成分量」などの表示を参考にしてください。
ただし、以前も紹介いたしましたが、成分量の記載がない商品が多いのでご注意ください。ビルベリーエキスの量は記載されているが、有効成分の「アントシアニン」について記載がないなど評価に困る商品もあります。

Q.そもそも、抗酸化物質摂取は必要なのでしょうか?
A.必要です。抗酸化物質を摂取することで、老化を遅らせるため、美容のため、生活習慣病などの予防のために、抗酸化作用を持つ食品は必要と考えられています。
ひとつの事例ですが、米国では、1991年にがん予防を目的とした「ファイブ・ア・デイ」という運動を始めました。具体的には、健康維持のために「1人1日5皿分(350g)以上の野菜と200gの果物を食べましょう」 というものです。この運動を始めたこともあり、抗酸化物質を多く含む野菜と果物をたくさん摂るようになってから、ガンの死亡率が減少傾向になるなど、大きな成果となっています。
しかし、こういった食品を毎日食べるのはなかなか大変です。そのため、これら野菜や果物にたくさん入っている、ビタミン類やポリフェノール、カロチノイド(色素)などの配合されたサプリメントを摂取することが勧められているわけです。

》抗酸化サプリ、摂取量の目安は?気になる続きはこちら!

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