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「アルツハイマー痴呆の予防にビール」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(377)

今回はビールに関する話題です。
「ホップ」エキスに、アルツハイマー病の予防効果があることが分かりました。
症状が軽い場合には、痴呆の進行を遅らせる効果も期待できるそうです。
これは京都大大学院生命科学研究科の垣塚彰教授らの研究グループが、米国オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表したものです。
(論文タイトル: Long-Term Oral Administration of Hop Flower Extracts Mitigates Alzheimer Phenotypes in Mice/著者: Akira Kakizuka 他/科学誌名:Pros One Published: January 29, 2014 DOI: 10.1371/journal.pone.0087185)

痴呆予防の効果が確認されたのは、ビール・ホップの雌株の花に含まれるエキス成分で、啤酒花(ひしゅか)という生薬として、中国では鎮痛薬にまた欧米では不眠改善のハーブなどとして使われているものだそうです。

さてアルツハイマー痴呆症は、たんぱく質「アミロイドβ(ベータ)(Aβ)」が脳内にたまることが原因の一つとされています。
そこでこの研究グループは、Aβの産出を促す酵素に着目し、この酵素の働きを弱める成分について研究しました。
約1600種類の植物エキスを調べたところ、ホップエキスに含まれる成分がこの酵素の働きを最も強く抑えられることが明らかになりました。

次に、遺伝的にアルツハイマー病を発症するマウスを使った実験を行ったところ、通常の水を飲ませていたマウスは生後9カ月目で記憶力や学習能力の低下が見られたのに対し、生後約1カ月半からホップエキスを溶かした水を飲んでいたマウスの能力低下が見られたのは15カ月目以降にまで遅くなることが分かりました。

研究グループによると、「今回の実験結果を人間に当てはめると、アルツハイマー痴呆の予防には脳内にAβがたまり始める40代頃から摂取するのが望ましく、さらに症状が軽い場合には進行を遅らせる効果も期待できる」としています。

ビールに含まれる成分ではないのが残念ですが、サッポロビール株式会社では商品開発を進めることにしているそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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