アンチエイジングニュース

「カフェインで記憶力を高める」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(375)

受験シーズン真っ最中ですので、本日は記憶力の向上に関する話題をお届けします。
カフェインを摂取すると記憶力が高まる、というニュースです。

これは、英国科学誌のネイチャー・ニューロサイエンス(Nature Neuroscience)に、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の研究チームがつい先日発表したものです。(論文タイトル:Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans/科学誌名: Nature Neuroscience (2014) doi:10.1038/nn.3623 Published online/12 January 2014/著者: Daniel Borota他)

結論をまず最初に言ってしまいますと、「カフェインを摂ると、少なくとも1日間以上にわたって記憶力が強まる」というものです。

今までもカフェインを摂ると記憶増強出来るといわれていましたが、科学的な証拠はあまりありませんでした。

例えば、試験前だと平時に比べて集中するために、見かけ上記憶力が高まっているように思える可能性があります。

集中力の効果と、カフェインの効果を区別するのが困難なためです。

そこでこの研究チームは、従来とは異なるアプローチを試みました。

まず、ボランティアの被験者73人にを対象に、植物、かご、サックス、タツノオトシゴなどの多数の物の画像を見せました。

その後、被験者を半数ずつのグループに分け、一方のグループには、濃いエスプレッソコーヒー約2杯分に相当する200ミリグラムのカフェインを、もう一方のグループには、プラセボ(偽薬)として、カフェインの入っていないエスプレッソコーヒーを与えました。

この時、カフェインの体内レベルを測定するために、1時間後、3時間後、24時間後にそれぞれ唾液サンプルを採取しました。

そして、翌日に両グループにもう一度、一連の画像を見せました。

この時は、画像には前日と同じものの他に、全く新しいものや、かごの取っ手が2つから1つに変わっているなどの、微妙に異なる画像も含まれていたそうです。

次に、前日に見た画像と「異なっていたかどうか」答えてもらったところ、どちらのグループもかなり正確に覚えていました。

ところが、一連の画像の中から「よく似た」画像を特定する場合については、カフェインを摂取したグループの方が正確度は高くなっていることが分かりました。

このテストは、カフェインが「海馬」に及ぼす効果を調べるために行われたものですが、ちなみに、海馬は短期と長期の両方の記憶力が必要な「パターンの違いの区別」をつかさどる脳の部位です。

以上の結果から、「通常の認識記憶についてはカフェインの効果はあまり見られなかったのに対し、良く似た画像の場合では『パターン分離』と呼ばれる区別が必要で、カフェインはこのパターン分離機能を亢進させる」と考えられるそうです。

さらにカフェインには、アルツハイマー痴呆の予防効果をも持つ可能性があるとしています。

さあ、受験生の皆さん、あと少し、ここががんばりどころです。
コーヒーを飲んで、最後の力を発揮してください。

ただし、カフェインを摂りすぎると頭痛の原因になったり、睡眠不足になったりする場合もありますので、要注意ですが…。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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