アンチエイジングニュース

「緑茶を飲むと、運動成績が向上する」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(363)

緑茶を飲むと抗癌作用や肥満予防になることはよく知られていますが、運動のパフォーマンスも上がるという話題です。

これは花王の生科学研究所のTakatoshi Murase博士らが、米国生理学協会が出版している科学誌(the American Journal of Physiology: Regulatory, Integrative and Comparative Physiology)に報告したものです。
研究ではマウスに緑茶成分を10週間にわたり投与して、マウスを水槽にて泳がせる試験をおこないました。

その結果、カテキン豊富な緑茶抽出成分(0.2%-0.5% [w/w])を与えたマウスは、与えた緑茶抽出成分量に比例して運動持続時間が改善しており、0.5%の緑茶成分が投与されたマウスでは、運動持続時間が24%も上昇していることが明らかになりました。

今のところ人間を対象とした結果は得られていませんが、この結果は緑茶エキスが運動能力の向上になると考えられ、マウスに与えた緑茶から換算すると165ポンド(約75kg)の運動選手だと一日4杯(一日約0.8リットル)の緑茶を飲むとよい、と述べられています。

運動能力を高める理由としては、カテキンが重要で、骨格筋の脂肪代謝を促進し、その一方で炭水化物の利用を抑制することにより、運動持続時間が延長しているのではないかという事です。

これからはマラソンなどがシーズンとなりますが、参加される方はお試しになさってはいかがでしょうか?

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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