アンチエイジングニュース

「緑茶が肥満防止に有効」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(358)

緑茶が心臓疾患やがんを始めとした様々な疾病予防に有効であることは、よく知られています。そこで今回は、緑茶を飲むと肥満防止にもなるという、嬉しい話題です。
これは、緑茶を飲むとウーロン茶を飲んだ人に比べて身体の脂肪分が大幅に減少したという報告で、東京のヘルスケアプロダクト研究センターのTomonori Nagao氏らが米国臨床栄養学誌(American Journal of Clinical Nutrition, January.)に発表したものです。

緑茶は、紅茶やウーロン茶と同じツバキ科のCamellia sinensisの植物の葉ですが、その調整法が異なり、緑茶は紅茶やウーロン茶のように発酵させません。
また、お茶には大量のポリフェノールが含まれており、その抗酸化作用により抗癌性や抗菌性を有します。
特に緑茶には、カテキンと呼ばれるポリフェノール含量が多く、抗炎症作用や抗がん作用が増強しています。 

最近の動物を用いた研究でも、カテキンは身体に蓄積した脂肪分やコレステロールの低下に役立つと報告されていました。

そこでこの研究では、実際に人の場合でもそれが当てはまるかを調べるため、35名の日本人男性について調べたそうです。

ちなみに、対象となった人たちはほぼ同様のBMI(body mass index)で、ウエスト周りも同じ程度の人だということです。

これらの人を2群に分け、一群には690mgのカテキンを含む緑茶エキスを添加したウーロン茶を、もう一群には同様に22mgのカテキンを含むウーロン茶を、毎日一本ずつ、3ヶ月間飲んでもらいました。
この間、同じ朝食と夕食をとり、摂取カロリーや脂肪分を同じになるようにしたそうです。

その結果、緑茶エキスを飲んだ人では体重減少がより多く、22mgカテキン群では2.9ポンド(約1.3kg)の減少だったのに対し、690mg群では5.3ポンド(約2.4kg)も体重が減少していました。

さらに、悪玉コレステロールであるLDL(low density choresterol)も緑茶を摂った人では低下していることもわかりました。

これらの結果から、緑茶に含まれるカテキンは身体のカロリーを燃焼させるだけでなく、LDLも減少させ、徐々に体内の脂肪分を減少させるとしています。

ところで、カテキンの含量は緑茶の種類と採取時期によって異なりますが、一日少なくとも4杯飲むと有効ということです。

忙しい方は、緑茶サプリメントやカテキンを豊富に配合したお茶等を使用するのもよいと思われますので、是非試されてみられてはいかがでしょうか。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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