アンチエイジングニュース

「アンチエイジングの切り札 テレビゲームで衰えた脳が回復」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(341)

テレビゲームをすれば、記憶や思考力・視力低下などの老化の予防に留まらず、すでに悪くなった機能をも回復できるというニュースです。
これは、米国オンライン科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に、米アイオワ大学(University of Iowa)のFredric Wolinsky教授らの研究チームが発表したものです。
(論文タイトル: A Randomized Controlled Trial of Cognitive Training Using a Visual Speed of Processing Intervention in Middle Aged and Older Adults./著者: Wolinsky FD, Vander Weg MW, Howren MB, Jones MP, Dotson MM (2013) /科学誌名: PLoS ONE 8(5): e61624. doi:10.1371/journal.pone.0061624 (May 1, 2013))

研究は、人が加齢に伴い脳の「実行機能(記憶や注意、認知、問題解決の能力に必要とされる脳の機能)」が失われる原因を突き止めることを目的としたものです。
アイオワ(Iowa)州在住の健康な人681人を対象とし、これらの人を4つのグループに分け、さらに各グループを50~64歳と65歳以上の2グループに分類しました。

次に、これら4グループのうちの1つには電子版のクロスワードパズルを、その他の3グループには「ロード・ツアー(Road Tour)」というテレビゲームをしてもらいました。
ちなみにこのテレビゲームは、画面に短時間現れる車や道路標識の種類を覚え、次に表示される選択肢の中から正解を当てるものです。
新たなレベルに進むためには4回中3回正解しなければならず、またレベルが進むにつれて表示速度が増し、さらに注意をそらすものが多く登場するようになる複雑なもののようです。
このゲームをしてもらったところ、ゲーム開始時点での処理速度が速い人も遅い人も、訓練により約70%速く作業を行えるようになりました。
ところが、10時間以上このゲームをしたグループの認知能力は、1年後の再測定でも少なくとも3歳若返っており、さらに14時間ゲームをしたグループでは4歳も若返っていることが分かりました。
この若返りの原因は、脳の処理速度の向上にあると考えられ、この処理速度の向上は視野の拡大も伴っていました。

ちなみに、高齢者の交通事故は加齢に伴い起こる視野狭窄が原因で、高齢者はまっすぐ前しか見えず、周辺に注意が向かなくなるのがその理由だそうです。

ところが、「ロード・ツアー」ゲームを続けた被験者では、クロスワードパズルをした被験者に比べて、集中力の他に、ある知的作業から別の作業へ移行する際のすばやさ、新しい情報を処理する速度などにおいて高いスコアを示し、認知能力は1.5歳から7歳近く若返っていることが明らかになりました。

すなわち、このテレビゲームにより認知機能が改善し、加齢に伴い衰える各種能力が最大で7歳近く若返ることが可能であることから、アンチエイジングの切り札として期待できそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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