アンチエイジングニュース

「薄毛は心臓病の警告?」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(396)

薄毛お風呂場などで抜けおちた自分の髪の毛を見ると、「ひょっとして…」と心配される方も多いかと思います。
薄毛はある程度お年を召した方の、共通の悩みではないでしょうか?

ところが今回、この薄毛が単に見かけだけの問題ではなく、心筋梗塞などの心臓病のリスクと関係があることが分かりました。

これは東京大の原一雄特任准教授らのチームの研究でわかったもので、英国医学誌BMJオープンに発表されています。
(論文タイトル: Male pattern baldness and its association with coronary heart disease: a meta-analysis/著者: T Yamada, K Hara, H Umematsu, and T Kadowaki/医学誌名: BMJ Open2013;3:e002537)

研究チームは過去に発表された医学論文6編について、再調査をおこないました。

そして、欧米の30~80代男性約3万7千人について、11年以上の経過観察をおこなったデータを分析して、薄毛の進み具合と心臓病の発生率との関係を調べました。

その結果、頭のてっぺんがハゲている男性では、髪がふさふさしている男性に比べてこれらの心臓病のリスクが32%も高く、特に60歳以下ではリスク上昇率は44%に達することが明らかになりました。

すなわち薄毛の男性は、ふさふさ髪の男性に比べて、心筋梗塞や狭心症など重い心臓病のリスクが高い傾向があるというわけです。

しかし、このことを逆に利用することを考えれば、悪いことばかりではありません。

つまり、自分が薄毛の傾向がある場合には、特に自覚症状がない段階でも生活習慣を変えることにより心臓疾患の予防が可能になることが期待できるのです。

ということですので、毛髪でお悩みの方は、是非とも心臓疾患の予防を心がけられますよう…。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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