アンチエイジングニュース

「ヨーグルトで高血圧予防」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(381)

血圧が高めで悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
こういう私もその一人で、時折家で血圧を測っては、ため息です。

そこで、ヨーグルトを食べている人は高血圧症のリスクが低い、というニュースをご紹介します。

これは、米国・ボストン市タフツ大学のHuifen Wang博士らが、ワシントンDCで2012年9月19~22日に開催されたHBPR 2012(米国心臓学会高血圧部会2012)で発表した内容です。
(Wang H, et al “Yogurt consumption, blood pressure, and incident hypertension: A longitudinal study in the Framingham Heart Study” HBPR 2012; Abstract 188.)
それによりますと、一日平均70~80mlのヨーグルトを食べている人は、全く食べない人に比べて31%も高血圧症のリスクが低いということです。

研究では、調査当初には高血圧症ではなかった2,197人について長期間にわたって調査したデータを分析しました。
なお、調査は被験者の血圧などの健康状態のデータ、日々の食生活、食品の種類および消費頻度、量などからなっており、ヨーグルトの摂取に関するデータも含んでいます。
その結果、14年間の調査期間中に被験者のうち913人が高血圧症を発症したそうです。
ところが、ヨーグルトを食べる量が毎日の摂取総カロリーの2%以上の人では、食べない人に比べ31%も高血圧発症リスクが低いことがわかりました。
この結果は、他の高血圧症の発症リスク要因や、生活習慣やコレステロール剤服用などの要因を取り除いた上でのもので、信頼できそうです。

特に、収縮期血圧(最高血圧)を比較すると、ヨーグルトを最も多く食べていたグループは食べないグループの人に比べて、平均0.19mmHg低く、また高血圧症を発症して降圧剤を服用している被験者を除いて比較した場合には、ヨーグルトの摂取の有無は最高血圧に関してさらに大きな影響を与えていることも明らかになりました。
以上の結果から、ヨーグルトを食べることは健康な食生活の一部であり、血圧のコントロールと高血圧症の予防に寄与している可能性が高いのではないかとされています。

ところで、ヨーグルトは高血圧に限らず、大腸がんの予防(ピロリ菌の除去)やコレステロール値の低下など、健康に様々な良い影響を与えることが分かっています。
もちろん、私もヨーグルトを毎朝食べていますよ。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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