アンチエイジングニュース

6月21日、大手町ファーストスクウェアカンファレンスにて「アンチエイジングには運動しかない!」というテーマでメディア向けのセミナーが開催された。
講師に招かれたのは著書「脳を鍛えるには運動しかない」で脚光を浴びているJohn Ratey氏と、内科を専門とし老化と生活習慣の関係について最先端で研究を続けるChristiaan Leeuwenburg氏。以下は両氏講演のサマライズである。

“筋肉も脳も使わなければ萎縮する” Dr. John Ratey
我々人類は100万年前には狩猟生活を営み、1万年前に農耕・牧畜という生活様式を取得した。そしてこれらの生活の中で、狩りにおいても農耕においても、食料を得るために知恵を養ってきた。このように、これまで「ヒトの脳の発達は二足歩行を始めたことで始まった」とされてきたが、Ratey氏はこれに対し、「走り始めたから脳が発達した」のだという。
これはどういうことかというと、脳の発達にはBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が大きく関与するとのことである。BDNFとは、神経細胞の成長を調節する脳細胞の増加に不可欠なたん白質のこと。この成分は脳のアンチエイジングや、うつの状態からの解放にも役立つ要素があるそうだ。また成人だけでなく子どもの成長にも大きく関与し、BDNFの分泌が学問の成績にも貢献するようである。この成分が発見されたことは、ここ15年間でセンセーショナルな出来事であり、多くの製薬会社がこの物質を含む薬剤を開発しようと努めてきたが、一番の方法は「運動」であるとRatey氏は述べる。運動することで、長期記憶や空間能力を司る海馬の幹細胞の分裂を促すとの研究結果が報告された。

“アンチエイジングの秘訣は運動とカロリス” Dr. Christiaan Leeuwenburg
Leeuwenburg氏は「アンチエイジングとは何か」を考える上で、世界最高寿命を更新し続けているジャンヌ・カルマンさん(満122歳没)を例に、生物の寿命は種によって予め限界が決められているとした。その原因としてテロメア説、遺伝子損傷説などについて言及し、さらにその対処法として「カロリー・リストリクション(以下カロリス)」、「運動」、「栄養(特にレスベラトロールなど抗酸化物質の摂取)」、「ラパマイシン(免疫抑制剤の一種。2009年の研究で、老年マウスに接種したところ寿命が延びたとの報告がされた。)」の4つを挙げた。中でもLeeuwenburg氏は「カロリス」と「運動」がアンチエイジングに有効であるとした。その理由として、これらはオートファジー(不要な細胞の自己浄化作用)を活性化させるという研究結果がヒトで確認されたことを挙げた。また、この2つの要素は上質なミトコンドリアを生み出し、エネルギーバランスを整える効果があるのでは、との見解を示した。

「食事」も「運動」もやり過ぎは禁物!
両氏の講義終了後は、司会を務める坪田教授を交えた3者での白熱したディスカッションがおこなわれた。
まず、運動が脳や身体に与える影響として、ホルミシス説が唱えられていることについて解説。ホルミシスとは、多量に持ち入れられれば有害とされる物質でも、適度な量であれば有益な影響をもたらすことだ。たとえば、放射線や、運動によって発生する活性酸素などのストレス要因が挙げられる。この視点で考えた時、人によって許容できるホルミシスのレベルが違うので、普段全く運動しない人が急に激しい運動するのは良くない、とのことだった。また適切な運動の基準として「ただ歩くというよりも、意識をすること」、「心拍数を上げること」、「バランス感覚を養うトレーニングをすること」の3つをポイントとして紹介した。
食事面に関しては、「毎食ランチはサラダのみ」というのは極端だが、週に2~3回、1食抜くことでオートファジーが活性化する、という話も出た。
適切な量に関して総括するなら、運動も食事もやり過ぎは禁忌ということだろう。

(AAN WEB編集部・小田真弓)

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