アンチエイジングニュース

≫青色光と眼科疾患・生体リズムの関連調査への応用に期待。
 可視光線測定メガネを開発

「ブルーライト個人曝露量測定システムの開発と応用」
衛藤 憲人 先生(東海大学工学部医用生体工学科 准教授)

続いて工学の観点から面白い実験の報告がされた。
加齢に伴い眼球の黄斑部が変性を起こす加齢性黄斑変性の最大のリスクはこれまで紫外光曝露であると考えられてきたが、近年、青色光のリスクが考えられ始めているそうだ。
そこで可視光個人曝露量を計時的に計測する為に、眼鏡に「」「UV」「」の3点を計測できるセンサをとりつけ、室内や外光の測定を行った。その結果、外(晴天の場合)では青色光が優位となり、室内(蛍光灯あり)では緑色光が優位となるなど、測定した場所の特性によって違う結果が得られたという。これを活かすことでその日1日の行動を照度で検証することが可能だという。将来的にはこの装置を利用することで、加齢性黄斑変性や白内障等の眼科疾患、サーカディアンリズム異常をアウトカムとした疫学調査等への応用が期待されているとのことだ。

≫睡眠前のスマホ閲覧は眼精疲労だけでなく体内リズムを崩し、睡眠に影響
「良質な睡眠と生体リズム」
古賀 良彦 先生(杏林大学医学部精神神経科学教室 教授)

古賀先生からは精神神経科学の視点から睡眠の質と生体リズムの研究結果について報告された。まずサラリーマン、OLへの“目”に関するアンケートについて紹介。この結果によると、94%の方が日ごろ眼の疲れを感じていると回答し、さらに20~50代女性は1日平均11時間以上もモニターを閲覧しているという。これを受け、モニター機器を長時間見ること(青色光の長時間感受)が眼精疲労や生体リズムの変調に影響すると仮定した。その検証方法として、就寝前に青色光(スマートフォン)を1時間見ることで、睡眠の質や体内リズムに与える影響を2週間に渡って調査。その際、青色光を遮断するPC用(ブルーライトカット)メガネ装着時と素通しレンズ装着時とで、その影響の差を比較した。
方法として自記式アンケートと睡眠と覚醒のリズムを測定できるアクティグラフ(腕時計型の測定機器)を用いた。その結果、アクティグラフにおいてはブルーライトカットメガネを装着した場合、4日目には睡眠時間が優位に長くなった。自記アンケートにおいては測定日が終わりに近づくにつれ、ブルーライトカットメガネを使用した方が、睡眠満足度が高まる傾向があった。このことからスマートフォンから発せられる青色光は眼精疲労だけでなく、体内リズムの乱れを引き起こす要因となり、その結果睡眠時間や睡眠の量や質に影響を与えると結論付けた。

≫生体リズムは2時間しかずらせない。リセットのカギは「光」「食」「社会同調」
「サーカディアンリズムと光」
深田 吉孝 先生(東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻 教授)

深田先生からは生物化学の立場からサーカディアンリズムについての説明がされた。
そもそもサーカディアンリズムとは、ほぼすべての生物細胞がもつ計時機構であり、内律的で環境因子の変動に応答するといった特性を持っている。心臓や肺といった臓器にもこの考え方が適応され、体温・血圧などが昼から夕方に最高レベルに達するなどといったヒトの生理現象の多くを動かしている。この体内リズムの特性を検証する為、1日で明暗の変化のある環境と1日連続して暗い環境とで活動リズムに差があるかどうか、ラットを用いて実験した。その結果、明暗周期のある環境から連続暗の環境に切り替わっても、少しずつ遅い時間へずれこむのみで、生活リズム自体にほとんど変化はなかった。
また様々な生物の1日の光刺激に対する位相反応を見てみると、およそ2時間しか位相をずらすことができないことが分かったという。
また体内リズムは光からの影響のみならず「食」に依存する部分も多いとのこと。
したがって朝、体内リズムをリセットさせるために必要なのは「朝日を浴びること」と「朝食をとること」、そして「社会同調であると語った。

(AAN WEB編集部・小田真弓)

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