アンチエイジングニュース

「腹七分目で、アンチエイジング遺伝子が活性化される」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(325)

アンチエイジング(抗老化)に重要な役割を持つものとして、「サーチュイン」という遺伝子が注目されています。
このサーチュイン遺伝子は、皮膚、毛髪、筋肉、骨、内臓、脳など、身体中の様々な老化を抑える作用を持つといわれています。
サーチュイン遺伝子はどなたにもある遺伝子ですので、この遺伝子をうまく活用することができれば、だれでも若く健康な体を維持できるはずです。

ところが実際は人によって老化度が異なり、同じ年齢でも明らかに老けた人もいますよね…。

アンチエイジングの研究をおこなっている金沢医科大学古家大祐教授によると、「実はこのサーチュイン遺伝子をうまく働かすことができているのは、一部の人だけ。この遺伝子のスイッチがオンになっているかオフになっているかが、見た目の年齢の違いを生ずる」とのことです。

そして、そのサーチュイン遺伝子をオンにするには、「カロリーを制限すること。特に“腹七分目”の食事がカギ。」だそうです。

古家教授らのグループは、中年男性を対象に、通常の必要摂取カロリーから25%制限した食事を7週間続けてもらい、サーチュイン遺伝子の働きを調べました。
すると、約3週間後にはサーチュイン遺伝子が約2倍~4倍に活性化することが明らかになりました。

すなわち、一般に代謝能が低下し、太りやすくなる中年期以降も、サーチュインを活性化させることは充分可能とのことです。

ちなみに何故、カロリー制限がアンチエイジングに効果があるかについては、生物の進化が関係しているそうです。

もともと人類は常に、飢餓の問題が付きまとってきました。
飢餓が続くと子孫を残すことができなくなり、その種族は滅亡してしまいます。
そのため、「生命は飢餓の恐れが出てくると、繁殖できるタイミングが整うまで生殖力を温存しようとする。つまり、老化を遅らせ、寿命をできるだけ延ばして、健康を維持させようとサーチュイン遺伝子のスイッチが入る。」とのことです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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