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話題のアンチエイジング「カロリー・リストリクション」

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話題のアンチエイジング

Vol.5 カロリー・リストリクション

アンチエイジングのホットな情報をお届けする「話題のアンチエイジング」。
今回は「カロリー・リストリクション」の話題です。

ここ数年「カロリー制限をすると寿命が延びる」というトピックスが話題になっています。
摂取カロリーを制限することで長寿遺伝子であるサーチュインが活性化し、長寿のスイッチがONになる。これを「カロリー・リストリクション(カロリス)」といいます。
このカロリスを一躍有名にした実験が米ウィスコンシン大学の使った研究。サルを20年間飼育し、片方には十分な餌を、片方には通常の7割の餌を与えました。その結果は次の写真をご覧ください。

左側が十分な餌を与えられたサル、右側がカロリー制限されて育ったサル。
左側のサルは体毛も抜け落ち、背骨は曲がり、肌にはハリやツヤがない。それに対して右側のサルは体毛がしっかりと生え、背筋もピンとして、顔つきも凛々しい。これがカロリスによりアンチエイジング効果が得られるとされる理由なのです。
仮説では、生物が一時的な飢餓状態に陥ることで、死を逃れるべく長寿のスイッチ、すなわちサーチュイン遺伝子がONになると言われています。しかしながら、そもそもサーチュイン遺伝子が活性化することによって寿命が延びるかどうかについて、線虫やショウジョウバエでの実験ではその効果が確認されていましたが、哺乳類に適応するかどうかについては確固たる証拠がなかった。そのため、サーチュイン遺伝子を活性化させる方法が見つかったとしても、それと寿命を延ばすことはイコールとは言い切れなかったのです。

しかし、最近注目すべきニュースが世界を駆け巡りました。
イスラエルの研究チームがマウスを使った実験で、「サーチュイン遺伝子を活性化させることによって寿命が延びる」と英科学誌“Nature”で発表しました。哺乳類にはこれまで7種類のサーチュイン遺伝子が見つかっており、彼らは今回、欠損すると加齢に似た症状が出る「サーチュイン6」に着目し、遺伝子操作によりこれを活性化させました。そしてマウスの寿命を調べたところ、オスのマウスの平均寿命が約15%伸びたとのことです。

もちろんこの実験の結果が人間にも適応されるかどうかはまだ不明ですが、昔から「腹八分目に医者いらず」といわれるように、食べ過ぎが体に負担をかけてしまうことは確かです。今後もカロリスの研究に目が離せませんね。

□■塩谷先生からのコメント■□
〝カロリス”、カロリーリストリクションは1、2年前から人気の話題である。
サルの実験で、3割餌を減らすと3割寿命が伸びるという実験報告で、テレビでその映像をご覧になった方も多いのではなかろうか。
そのメカニズムは本文に書かれているとおりだが、正直僕は懐疑的である。
まずこれはサルの実験であり、人間にすぐ当てはまるわけではない。
元来野生の動物は、何時も充分に腹を満たすことはできない。充分に餌が与えられている方が、不自然な状態かもしれない。
また、腹八分ならまだ納得がいくが、腹7分はきつい。
飢餓状態で寿命が延びて何になる、というのが食いしん坊の理事長の言い分である。
だがすでにカロリスの研究会までできているという。
その人道的な研究結果を待ちたい。

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