アンチエイジングニュース

「トマトにダイエット効果」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(319)

トマトに脂肪燃焼を高める成分が含まれていることが、最近の研究で明らかになりました。

そして、そのためか、関西地区のスーパーではトマトジュースを手に入れるのが難しくなっているそうです。

そこで今回は、トマトに脂肪燃焼成分が含まれていることを見出した、京都大農学研究科の河田照雄教授らの論文をご紹介します(PLoS ONE: Research Article, published 09 Feb 2012 10.1371/journal.pone.0031317, 論文タイトル:Potent PPARα Activator Derived from Tomato Juice, 13-oxo-9,11-Octadecadienoic Acid, Decreases Plasma and Hepatic Triglyceride in Obese Diabetic Mice)。

トマトには、カロテンやリコピンなど抗酸化機能のある成分が含まれていることは以前から知られており、また、脂質異常症や糖尿病にも効くといわれていました。

そこで、河田教授らのグループがその有効成分を探索したところ、脂肪燃焼を促進する不飽和脂肪酸の一種(リノール酸誘導体)を見つけることができました。

次に、この成分を高脂肪食とともにマウスに1カ月間与えたところ、高脂肪食のみのマウスに比べて、血中や肝臓の中性脂肪量が約3割低下することが明らかになりました。
また、血糖値も低下することが確かめられたそうです。

研究者らによると「この成分には脂肪燃焼のスイッチをオンにする働きがあると考えられ、またジュースに多いのは製造時の加熱で成分が増えるのではないか」とのことです。

今回の結果を人に当てはめると、トマトジュース200ccを1日3回飲めばよいとのことだそうで、論文の発表以後、特に大阪地区のスーパーでは品薄状態に陥っているようです。

ダイエット効果を確認するには、さらなる実験が必要だそうですが、高脂肪や肥満が気になる人はお試しを。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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