アンチエイジングニュース

話題のアンチエイジングVol.3「トマト」

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

話題のアンチエイジング

Vol.3 トマト

巷で話題になっているアンチエイジングに関連するものを調査する企画、「話題のアンチエイジング」。今回は、世間を騒がせている「トマト」について調査してみました。

============================

京大の研究グループが、「トマトに脂肪燃焼作用のある成分が含まれていることを発見した」と、2月10日付けの米科学誌プロス・ワンで発表した直後、消費者がメタボ解消効果を期待してか、あらゆるスーパーでトマトが姿を消しています。
果たしてトマトを摂取するだけで本当にメタボに効果があるのでしょうか?

今回プロス・ワンで発表された研究内容によると、京都大大学院の河田照雄教授らの研究グループがマウスを使った実験で、トマトに含まれる成分に血液などの中性脂肪量を抑制する効果があることが確認されたということです。中でも脂肪の燃焼を最も活性化させる成分として、不飽和脂肪酸のリノール酸に類似した物質”13―oxo―ODA”を特定しました。
さらにこの物質を化学的に合成し、肥満マウスの餌に0.05%加えた結果、4週間で血液と肝臓の中性脂肪が約30%減少した上、脂肪燃焼に関わるたんぱく質の増加やエネルギー代謝の向上、血糖値の低下も見られたとのこと。
河田教授によると、マウスが摂取した量は人間に換算すると「1食で生トマト2~3個」、成分が凝縮されるトマトジュースなら「1食200ミリリットルぐらい」とのことです。

なるほど、毎日トマトジュースを飲むだけでメタボ予防に効果があれば、手間もコストもかからない。しかし、これまでにも納豆、ヨーグルト、バナナ…といったように、気軽に手に入る食品の効果がメディアで取り上げられる度、一過性のブームを巻き起こしてきました。このような現象を「フードファディズム(食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること)」と呼ぶそうですが、今回もこの現象が起きているといえるのではないでしょうか。
確かに今回発見された成分の他にも、トマトには豊富なビタミンAビタミンC、さらにはβカロチンの2倍の抗酸化作用をもつとされるリコピンなどが含まれています。「トマトが赤くなると医者が青くなる」とは昔からよく言われてきたように、トマトが健康に良いことは周知の事実。しかし、トマトに限らず、1つの食べ物に固執して食生活のバランスを失わないように注意したいものですね。やはりアンチエイジングの基本はバランスのとれた食事ですので。

□■塩谷先生からのコメント■□
フレンチパラドックスと赤ワイン。オリーヴ油と地中海料理。そして今度はトマトのリコピンと中性脂肪の抑制効果が取りざたされています。これも地中海料理のメリットの一つといえるでしょう。
医食同源」という言葉がありますが、抗加齢で最も大切な要素の一つは栄養素であり、バランスのとれた食事と適度の運動で抗加齢の9割は達成できるとさえいわれています。
聞くところによると、今回の発表は、トマトの場合、そのまま食べるよりも、ジュースの方が数倍効果があるということのようです。
大変うれしいニュースではありますが、まだ動物実験の段階のようであり、また、食事の場合は薬のように一回飲んですぐ効果があるわけでなく、毎日の食生活の中に取り入れて、続けられないと意味がないのです。
医学的には今後、このメカニズムのさらなる解明の必要があり、また一般の方も、一時的なファディズムに終わらせず、長期にわたっての検証にご協力お願いします。

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧