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Vol.2 レスベラトロール

巷にあふれるアンチエイジングに関する商品やサービスを、とりあげていく「話題のアンチエイジング」、今回は、「レスベラトロール」を取り上げてみました。

テレビや雑誌で取り上げられて名前を耳にする機会の増えた「レスベラトロール」、皆様はご存知でしょうか。この成分、実は日本で70年以上前に発見されたのだそうです。

90年代にがんを抑える効果があるというレポートが発表され、それからたくさんの研究がおこなわれるようになったこの成分。ブドウの皮や赤ワインにも含まれる「ポリフェノール」の一種です。

老化の原因の一つである活性酸素を抑える効果があり、放射線障害からの防御認知症を抑制する効果も、さまざまな研究がすすめられてきています。

ちなみに容量でも期待される効果が違うようで、高用量だとアポトーシス(多細胞生物が個体をより良い状態に保つために管理・調節された細胞の自殺のこと)を増進することによってがんを予防し、低用量では、細胞保護を増進し、損傷を減らすことによって心臓の健康状態を改善するとのことです。

なお、長寿遺伝子と言われているサーチュイン遺伝子は、飢餓やカロリー制限によって活性化することで知られていますが、近年、レスベラトロールを摂取することでカロリー制限した時と同様にサーチュイン遺伝子が活性化することが分かったそうです。

ただ、こうした効果が見られたのは動物などでの実験で、人体でも同じように効果がみられるのかは、今後も研究がすすめられていくのではないでしょうか。

ワイン党の皆さんには、1杯飲むときにアンチエイジングや美容の効果も期待できる嬉しい成分ですね。でも、効果が出るにはどのぐらい摂取すればいいのかと考えると、赤ワインを一日に何十本も飲む必要があるそうで、ワインだけで摂取しようと思うと肝臓を壊してしまうこと必須です。

サプリメントなどを上手に活用して、レスベラトロールをエイジングケアや美容に活用したいものですね。

■塩谷先生からのコメント
フランス料理はアメリカの食事よりはるかに脂肪分、それも動物性のものが多いのに、フランス人には心臓血管病が少ないのはどういうことなのか、これが「フレンチパラドックス」と呼ばれた現象でした。その理由が、赤ワインに含まれているレスベラトロールの抗酸化作用だと分かったとき、世界のワイン党は歓声をあげました。でも、赤ワインだけで抗酸化を充足しようとしたら、アル中になることは確実ですから、ほどほどに。また、1000円以下のテーブルワインと、数十万円の例えばロマネコンチと、レスベラトロールの質と含量に差があるのか、気になるところですね。」

追記:
長期貯蔵しているワインほど、中に含まれている様々なポリフェノールの高分子化(多数の原子が共有結合してできる巨大分子のこと)が進むことでさらに効果が倍加されるそうです。つまり、ヴィンテージの高級赤ワインの方がレスベラトロールの効果は高いのかもしれません。
しかしその一方で、レスベラトロールはとても不安定で壊れやすい物質なので、新鮮な赤ワインにしか含まれていないという説もあるようですので、値段や時間でレスベラトロールの含有量を判断するのは難しいかもしれませんね。

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