アンチエイジングニュース

「寿命は、知能指数や学歴と関係する?」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(268)

“子どもの頃の知能指数や教育歴、あるいは父親の学歴が、本人の寿命に影響するかどうか”を調べた研究結果が報告されました。

これは、スウェーデン・ストックホルム大学健康資産研究センターのA Lager氏らが、英国医学誌British Medical Journal(2009, Dec. 19th Issue)に発表したものです。
(Lager A et al. The association of early IQ and education withmortalityten 65 year longitudinal study in Malm?, Sweden. BMJ. 2009 Dec 19;339tenb5282. doiten10.1136/bmj.b5282)

研究はスウェーデンMalmo市民を対象にしたもので、10歳児の時のIQテストの結果が入手できた1,530例の子どもを、実に75歳まで追跡調査したものです。

その結果、教育歴と寿命との間には、男女とも関連性は見られないことが明らかになりました。
また、子どもの頃のIQの成績、および父親の学歴で補正しても、同様に関連性がほとんど認められませんでした。

一方、子どもの頃のIQが高い男性では、死亡リスクがやや低いことが示されましたが、女性においてはそのような子どもの頃のIQとは関係が見られなかったそうです。
この結果を元に、長生きできるかどうかは学歴、子どもの頃のIQでは説明できず、子どもの頃のIQと長生きの関連は男女でやや異なるものの、父親や自分自身の学歴もほとんど関係がないと結論しています。

すなわち、学歴や子供時代のIQよりも、その後の生活態度が大きく寿命に関係していることになります。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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