アンチエイジングニュース

「今、生まれてきた赤ちゃんの半数は100歳まで生きる」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(252)

7月26日、厚生労働省が2009年の簡易生命表の概況を発表しました。
それによりますと、日本人の平均寿命が男性79.59歳(前年比0.30歳増)、
女性86.44歳(同0.39歳増)と、それぞれ4年連続で過去最高を更新したそうです。
このまま続くと、やがて100歳まで生きるのが当たり前になるのでは、と想像していたのですが、今回その事を科学的に予測している論文が発表されました。

これは南デンマーク大学デンマーク加齢研究所のKaare Christensen博士らが、英国有名医学誌Lancet(2009, Oug. 3rd Issue)に報告した論文です。
研究では、先進国30カ国強のデータを分析しました。
その結果、80歳以上の人の死亡率は依然として低下し続けており、80から90歳への生存率は1950年には女性で15~16%、男性で12%でしたが、2002年にはそれぞれ
37%、25%と大幅に延びています。
すなわち、1840年以降続いている平均寿命の延びには衰えがみられず、まだ限界に近づいてはいないということになります。

そして20世紀に入ってからは、先進国では平均寿命が30歳以上延びており、今後たとえ健康状況が改善しなかったとしても、2000年以降に生まれた赤ちゃんの75%が75歳まで生きると推定されています。
また、富裕国で2000年以降に生まれた赤ちゃんの半数以上が、100歳まで生きることができると述べられています。

こうなると、社会的な基盤もそれに応じて変化するはずです。
定年は80歳、後期高齢者は95歳?

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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