アンチエイジングニュース

「シワやシミの予防にはイチゴを!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(239)

5月からは、紫外線が強くなります。ご存知のように、紫外線はシワやシミの原因となる皮膚ダメージを与えます

特にご婦人方には気になることですが、今回イチゴなどのベリーに含まれる抗酸化物質が、紫外線による皮膚のダメージを抑える、と言うニュースです。

これは、韓国Hallym大学のYoung-Hee Kang博士らが、ニューオーリンズで開かれた2009年度実験生物学会(2009年4月21日)発表したものです。問題の抗酸化物質はエラグ酸と呼ばれる成分で、様々な果物、野菜、ナッツに含まれている抗酸化物質です。
特にラズベリー、ストロベリー、クランベリーなどのイチゴ類、或いはザクロなどに多く含まれていることが分かっています。
以前の研究から、このエラグ酸には紫外線予防効果があることが示唆されていました。そこでこの研究者らは、ヒトの皮膚細胞を用いて、エラグ酸が紫外線でダメージを受けた皮膚細胞に与える影響を調べました。
その結果、エラグ酸が、皮膚の再生に重要なコラーゲンを破壊するマトリクス・メタロプロテアーゼ(MMP)を抑制することが分かりました。また、炎症に関与する分子であるICAMの発現も低下させることもわかったそうです。
次に、この研究者らは、ヒトの皮膚細胞やマウスの皮膚に有害な、太陽の紫外線であるUV-Bを、ヌードマウス(遺伝的に毛がないマウスで、皮膚に関する研究でよく使用される)に照射し、その影響を調べました。8週間にわたって週3回、12匹のマウスに紫外線を照射し、半数のマウスにはエラグ酸を皮膚表面に10マイクロモルを塗布しました。
すると、エラグ酸を塗布されたマウスでは、対象の紫外線だけを照射されたマウスに比べて、皮膚のシワ形成が大幅に少なくなっていることが明らかになりました。
さらに、この間、コラーゲンを破壊する炎症反応やMMPの分泌が抑制されていることも確認出来たそうです。

以上の結果から、<>b抗酸化物質のエラグ酸の局所投与が、シワの元となるコラーゲンの破壊や炎症反応を顕著に抑制すると結論されました。
勿論、今後更なる研究が必要ではありますが、女性の大敵の紫外線予防にこの研究成果が役立つ事が期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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