アンチエイジングニュース

「太っているほうが、やせ形の人より長生き」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(237)

最近、痩せ願望の人が多くなっています。特に若い女性の間でそのような人が多いのですが、メタボを気にする中高年の人も肥満体型は避けたいと言うのは共通です。

ところが今回、寿命と言う観点から見ると、
太り気味の人のほうが長命であることが分かりました。これは、厚生労働省の研究班(研究代表者=辻一郎東北大教授)の大規模調査で分かったものです。
研究では、宮城県内の40歳以上の住民約5万人を対象に、12年間にわたり健康状態などを調査しました。

そして、BMI(ボディー・マス・インデックス)ごとに40歳時点の平均余命を分析したところ、普通体重(BMIが18.5以上25未満)が男性39.94年、女性47.97年なのに対し、太り気味(同25以上30未満)は男性が41.64年、女性が48.05年と長命であることが明らかになりました。

しかし、BMI30以上の「肥満」に分類された人では、男性が39.41年、女性が46.02年だったそうです。一方、やせた人(同18.5未満)は男性34.54年、女性41.79年でした。

結論として40歳時点の体格によってその後の余命に大きな差があり、太り気味の人が最も長命であることがあきらかになった訳です。
そして最も短命なのはやせた人で、太り気味の人より6~7歳早く死ぬとされています。
その原因に関してですが、やせた人に喫煙者が多いとか、やせていると感染症にかかりやすいという説もあるようですが、はっきりしません。
いずれにせよ、「メタボ」を気にするあまりに、行きすぎたダイエットに警鐘を鳴らすものといえそうです。

勿論、無理に太れば寿命が延びるというものではありませんよ。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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