アンチエイジングニュース

「毎日少しのお酒で、寿命が長くなる」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(219)

年末年始は、お酒を飲む機会が多くなります。そこで今回は、お酒に関する話題です。

1日に僅かグラス半分のワインを継続的に飲んでいる男性は、
寿命が5年も長くなるといううれしいお話です。
さらにうれしい事に、
種類にかかわらず
少量(1日20g)のアルコール飲料を長期間摂取している人は、
飲酒しない人に比べて寿命が
2.5年も長かった
そうです。

この研究はオランダ、ワーゲニンゲンWageningen大学のMartinette Streppel氏が、医学誌Journal of Epidemiology and Community Health(2009, April issue)に報告したものです。
今回の研究はさまざまなアルコール飲料を対象に、40年という長期にわたり定期的に追跡したという点で注目に値する研究です。

研究ではオランダ・ズトフェン市に住む男性1,373人を対象に、1960年から2000年まで飲酒の習慣のほか、体重、食事、喫煙、重篤な疾患の有無などのデータを追跡しました。この研究期間中に1,130人が死亡していますが、これらの結果をまとめると以下のことが明らかになりました:

少量のアルコールを長期間摂取すると、飲酒しない人に比べて寿命が2.5年延長した。1日20gを超えるアルコール摂取では、2年近い寿命延長が認められた。

・1日に平均20g程度のワインを飲む人は、50歳の時点の余命がビールまたは蒸留酒を飲む人に比べて2.5年長く、飲酒しない人に比べると約5年長かった。

適度な飲酒と死亡リスクの低さとの間には関連がみられ、ワインの摂取と心疾患、脳卒中などによる死亡リスクの低さとの間には強い関連がみられた。

と云うことです。

今回の研究でアルコールとして多かったのはビールや蒸留酒だったそうで、お酒なら何でも良いのかもしれません。また飲酒による利益を得られるのは、50歳以上の人だとされています。私の場合も、ほんの少量のアルコールだけで十分にハッピーな気分になれます。従ってアルコールに含まれる成分と云うよりも、気分転換による効果が強いように思えます。

なお、この研究は女性を対象にしていませんので、同様の結果が女性にも当てはまるかどうかは不明だそうです。女性に対するアルコールの効果も知りたいところですね。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している。

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