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「ビタミンは、高齢者の脳萎縮を抑える」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(195)

 肉類、魚類、ミルクなどに含まれるビタミンB12が、高齢者の記憶力低下を防ぐことが、最近の研究でわかりました。
 これは、オックスフォード大学David Smith教授らが、Neurology誌(2008, September issue)に報告したものです。

 研究は、61歳~87歳の107人のボランティア高齢者を対象に、5年間にわたって調べたものです。
 まず、このボランテイア高齢者を、ビタミンB12摂取レベルにより3群に分けて、脳の萎縮度との関係を調べました。

 すると、ビタミンB12レベルの低い高齢者の場合、高い人に比べて脳の萎縮は6倍以上早く進むことが明らかになったそうです。

 この結果から、ビタミンB12のレベルを高く保っていれば、高齢化に伴う脳萎縮を抑制できると結論しています。
 今後は、既に脳の萎縮が起こった人を対象にして、ビタミンB12の効果を調べる予定とのことで、その結果が期待されています。

 さて、高齢者の場合、5人中2人がビタミン不足であるといわれています。
 肉、レバー、魚、ミルクなどにはビタミンB12が多く含まれています。これらの食品を多めに摂って、痴呆にならず、いつまでも元気に過ごして頂きたいと願っております。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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