アンチエイジングニュース

いを毎朝・晩、実践するようにしたところ風邪をひかなくなり、鼻もスッキリと通るので継続しています。

――健康管理は身体のサインに耳を傾けながら自然体で
ミュージカルの舞台は、歌あり、踊りありのハードなものですから、上演中は体力勝負。十分な睡眠とバランスのよい食事をとることが体力を維持するための基本となります。特に睡眠不足は大敵ですから、上演中は毎日6時間睡眠を死守!! 食事面では舞台前には腹持ちが良く、身体に負担がかからないものを軽くとるようにします。私の舞台前の食事は”ごはん”。パンでもパスタでもなく”ごはん粒”がいいというあたりが日本人ですよね!!
本格的な食事は舞台終演後。1日2回のステージでエネルギーを使っていますから、しっかりというより相当食べます(笑)。しかし、最近は沢山食べるけれど、揚げ物など油っこい物ではなく、野菜、海藻類を多くとり、炭水化物は少なめにという内容に自然とシフトしてきました。もともと胃が強い方ではないので、重たい物を食べると身体の方から「ちょっと重たいよ~」とサインを出してくれます。そのサインを逃さないように、胃が疲れているとサインがでたら胃にやさしい物を食べよう等と、常に身体の声に忠実に、その時々で対応することを心がけています。私の身体の声を一番わかりやすく伝えてくれるのが舞台終了後、夕食時に飲む1杯のビールです(笑)。これが「おいし~、最高!!」と感じる時は体調が良い時。逆においしいと思えない時はあまり体調が良くない時というバロメーター。喉の調子が悪い時や体調が悪い時は飲んでも美味しくないし、身体が欲していないなら飲まないというアルコールとの付き合い方も身体の声に自然に反応してのものです。
自分の身体の声を聞くことの大切さを知ったのは20代半ば『レ・ミゼラブル』の上演中に初めて声を潰した時です。上演期間中に自分の声が出なくなる等と考えたこともなかった私はその状況に愕然としました。幸い治療を続けながら千秋楽まで舞台に立つことはできましたが、”無理をすると身体は悲鳴を上げる”という現実に直面したことはとてもショックでした。その時、主治医の先生が「皆、身体を壊して自分なりの対処法を覚えていくものだからこれも経験だよ」と言って下さったんです。それを機に、それまで自分はどんな場面でも目一杯歌っていたけれど、場面により表現方を変えることで声を抑える、それまでと違う歌い方をしてみる等、目一杯頑張りすぎて身体に無理をさせるのではなく、表現の幅を広げながらも自分の体調も管理できる方法で演じることを考えるようになりました。以来、自分の身体が悲鳴をあげる前にサインを感じて対処することで今日まで元気に舞台に立てています。

――舞台に立ち続けることが最大の健康法
舞台公演がない時には針治療やマッサージ等、身体のメンテナンスをしながら、なるべく合間をみつけて歌やダンスのレッスンをするよう心がけているのですが、私の場合は本番がないとすぐに怠けてしまう悪い癖があり、昨年、歌や踊りのない舞台が続いた時期にレッスンをさぼり、メンテナンスだけで身体を甘やかしていた時期があったんです。するとその後の舞台で久々に踊っているうち股関節を痛めてしまいました。やはりレッスンをサボっていたからだと反省する一方で、日常的に身体を作っておかないと自分に跳ね返ってきてしまう年齢なのだと痛感させられました。
今年は子役デビューから35年を記念し、7~8月にアニバーサリーコンサートを開催することもあり、もう身体づくりをサボることなく毎日ストレッチや筋トレ等を行い、当日足を運んで下さるお客様に素敵な時間を過ごして頂けるよう準備を進めています。
舞台人は皆そうなのかもしれませんが、私の健康の源は「舞台に立っていること」。舞台に立ち続けることで体力を維持できているから舞台に出て演じている時が一番元気なのです。自分のパワーを発散させ、お客様からもパワーを頂け、心身ともに健康でいられるなんてとても幸せな職業です。舞台に立ち続ける以上、トレーニングで体力づくりを継続することは必須ですから、これからも自分の年齢、体力に合わせたトレーニング法を取り入れていきたいと思っています。

――心のアンチエイジング
今、大阪芸術大学で教鞭をとらせて頂いていますが、最初は私が人に何かを教えるなんて無理!! と思っていたこの活動が、今では欠くことのできない素敵な時間となり、舞台と並ぶもう一つの元気の素となっています。
私は18歳でミュージカルの初舞台を踏みましたが、その年齢と同じ新入生達はゴツゴツとした原石のように見えます。4年間の学生生活で様々な経験を重ね、磨かれ、たくましく成長して社会に向けて飛び立とうとする学生達の大切な青春の一時期と向き合わせてもらっているこの時間は、私に多くの刺激を与え、パワーを与えてくれるのです。
私は歌の実技を担当していますが、特に音楽学校などに通った経験もなく、子役時代から好きなことをしながら現場で学んできた私にできる事は、「教える」のではなく、「伝える」こと。これまでに自分が経験してきたこと、その経験から導き出されたものを伝えるというスタンスです。実はこれが自分の人生を振り返る良い機会となり、自分の原点に立ち戻りながら学生と対峙することで改めて舞台に立つことの喜びを感じ、常に新鮮な気持ちで舞台に立つことができますし、学生から与えられるエネルギーは私にとってかけがえのない心の栄養になっています

――心身を常に循環させ続けること
以前、先輩に「40代になると体力がガクッと落ちる」と言われたことがあるのですが、確かに20代、30代の頃には感じなかった疲労回復の遅さや、オフステージでレッスンをサボったらすぐにどこかを痛めてしまうといった現実に直面しながら、50代、60代でいつまでも輝き続けている先輩方の姿を拝見すると、食生活や体力づくり、メンタル面等全ての面でしっかりと、でも、さりげなく自分流の管理法をもたれているのだと感じます。
さり気なく日常生活の中でされていることが自己管理に繋がっているから無理がない。これって、きっと心身ともに循環させる方法をもたれているということなのだと思うのです。世の中では、身体も心もデトックスが必要といわれていますが、循環をよくして滞らせないことがデトックスの基本ですから、心身ともに「よい循環」を続けることが素敵な年の重ね方をするために大切だと思います
今後、歳を重ねていく上で、身体の声を聞きながら自分自身をコントロールし、決して無理をせずに、大切に生き生きと心身ともに”良い循環”を続けていきたいと思っています。そして、一つひとつのお仕事と自分なりに真っ直ぐに向き合い、精一杯大切にやらせて頂くこと。劇場にいらして下さったお客様には誠心誠意、精一杯の自分をお届けし、楽しんで頂ければ私自身もお客様からエネルギーを頂ける。これも良い循環ですね。
人にはそれぞれその年代なりの美しさ、輝き方というのがあると思いますから、私も無理をせず、自然体でよい循環をしながら「その年齢にしてはちょっと若いじゃない?」位の年齢不詳さをもって元気に舞台に立ち続けていたいと思います。

取材・執筆:岩原明子(フリーライター)


島田歌穂さん


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島田歌穂デビュー35周年
メモリアルコンサート

プロフィール
島田歌穂(しまだ かほ)

1974年、子役デビュー。1982年にミュージカル「シンデレラ」で初舞台。
1987年『レ・ミゼラブル』のオーディションでエポニーヌ役に抜擢され脚光を浴びる。それから2001年までロングラン公演に参加し出演回数は1000回を越えた。
主な出演作品は「Freddie」「DOWNTOWN FOLLIES」「ウエストサイド・ストーリー」「江利チエミ物語」「飢餓海峡」「ベガーズ・オペラ」「蝶々さん」などミュージカルからストレートプレイまで出演作は多数。
2007年12月にはブロードウェイミュージカル「ライト・イン・ザ・ピアッツァ」に主演。
1988年、芸術選奨文部大臣新人賞。2007年、第41回紀伊國屋演劇賞個人賞、第14回読売演劇大賞優秀女優賞など受賞多数。
他にもコンサートやライブなどの音楽活動も行うなど幅広く活躍。最新アルバムはフルオーケストラとのコンサートを収録したライブアルバム『One Woman Series Vol.1』を2008年3月にリリース。今年、デビュー35周年を迎えた。
現在、大阪芸術大学教授。

島田歌穂オフィシャルサイト
島田歌穂オフィシャルブログ「ぞくっ♪マメミメ日記」

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