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「ダイエット食品を摂ると、逆に肥満リスクが高まる」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(170)

ダイエットと真剣に取り組んでいる方には、ちょっとショッキングなお話です。

 最近の研究によると、ダイエット食品を摂ると、却って肥満になるリスクが高くなることがわかりました。
 特に、子供用のダイエット食品は、過体重や肥満をおこさせやすいと、警告されています。

 この研究は、アラバマ大学のDavid Pierce教授が、肥満学誌Journal 0f Obesity(2007, August issue)に報告したものです。

 研究はラットを用いたもので、低カロリー食で飼育したところ、ラット自身が痩せていたり、逆に肥満であろうとその状態に関係なく、ダイエット後には過食傾向が起こる事が分かりました。
 そして、最終的には肥満になる割合が高くなっていたということです。
 特にこの傾向は若年ラットに特徴的で、高齢ラットや青年ラットではそのような傾向は弱かったようです。

 以上の結果から、特に若年者の場合、低カロリー食は、その後にカロリー摂取の調節が混乱し、逆効果になると結論されています。

 なお、高齢ラットや成熟ラットではそのような傾向が弱いのは、様々な味覚感覚を持つため、いろいろなものを満遍なく食べるためではないかということです。
 ところが、若年ラットでは、嗜好性が強く、低脂肪高カロリーを好んで食べるため、ダイエットを行った後でも、カロリーを摂りすぎる傾向があるのではないかということです。

 この研究者は、特に子供にはバランスの取れた食事が重要で、低カロリーのスナック菓子などではその要求に応えられない、と注意しています。
 また、肥満解消にはカロリー制限食だけに頼るのではなく、運動が最も効果的と指摘しています。

 ということですので、ダイエットにお励みの方、もう一度、貴方のダイエット法を見直されてはいかがでしょうか?

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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