アンチエイジングニュース

日本農産工業が、6月6日に行われる第8回日本抗加齢医学会総会において発表をいたします。その要約をご覧ください。

Anti-Aging Dock Systemを用いた「ヨード卵・光」の推定機能年齢スコア(筋・血管・神経・ホルモン・骨)に対する有効性の検討
○ 高橋 穂澄1)、日比野 佐和子1)、高橋 洋子1)、横山 次郎2)、米井 嘉一1)
1)同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、2)日本農産工業㈱
【目的】アンチエイジング医療のためには「食」「運動」「精神」が重要である。
今回「食」について卵という身近な食品を取り上げ、身体に及ぼす影響について検討した。
【方法】45歳以上59歳以下の健常女性24名を、試験群と対照群に分け、ヨード卵(試験群)またはプラセボ卵(対照群)を1日1個8週間摂取し、摂取前・8週後に抗加齢医学会推奨の抗加齢QOL共通問診票・身体測定・血液尿検査を実施した。
その結果をソフトウエアAnti-Aging Dock System「Aging Check 2007版」(株式会社銀河工房、名古屋)によりスコア計算を行い、筋、血管、神経、ホルモン、骨の5項目の老化度の推定機能年齢スコアを算出し、比較検討した。
【結果】摂取前と8週後の比較では、身体測定・血液尿検査データのうちヨード卵(試験群)で収縮期血圧127.3 ±18.3から115.6±15.3mmHg(p=0.009)への改善を認めた。
推定機能年齢スコアは、ヨード卵(試験群)で、「血管年齢」55.2±3.8→54.1±4.2(p=0.006)と「骨年齢」55.3±4.1→54.8±4.3(p=0.042)が有意に改善した。
プラセボ卵(対照群)では、「血管年齢」55.9±3.1→54.2±4.3(p=0.029)、「ホルモン年齢」52.8±11.3→49.9±9.2(p=0.025)で有意に改善した。
【結語】ヨード卵(試験群)で血圧降下作用を認め、本ソフトウエアを用いた抗加齢QOL問診票のデータ解析によりヨード卵(試験群)が老化度5項目のうち「血管年齢」「骨年齢」に対して好影響をもたらす可能性が示唆された。

「ヨード卵・光」の2型糖尿病に対する有効性評価
○ 横山 次郎1)2)、冨岡 みゆき2)、井上 肇2)3)
1)日本農産工業㈱、2)聖マリアンナ医科大学形成外科学教室、3)聖マリアンナ医科大学大学院先端医学研究施設
【目的】今回我々は2型糖尿病を自然に発症するKKAyマウスを用い、2型糖尿病に対するヨード卵の有効性とその作用機序について検討した。
【方法】KKAyマウス(3週齢、♂)を、ヨード卵卵黄粉末投与群、普通卵卵黄粉末投与群、および対照群に分け、ヨード卵卵黄粉末、または、普通卵卵黄粉末を0.5%混合した飼料を摂取させ、空腹時血糖、経口ブドウ糖負荷(2g/kg)を実施し比較した。
また、屠殺し、インスリンや各種サイトカインのタンパク発現ならびにインスリン受容体の遺伝子発現を定量した。
【結果】1)ヨード卵投与群は、卵粉投与5週目以降全ての週のブドウ糖負荷において、30分後の血糖値の上昇を対照群に比べて有意に抑制した。また、卵粉投与9週目では、30分後と60分後の血糖値の上昇も有意に抑制した。
2)普通卵投与群には、このような作用は認められなかった。
3)ヨード卵卵黄粉末の長期投与が、本モデルの糖尿病発症を遅らせる可能性が示唆された。4)対照群に認められた脂肪組織のインスリン受容体減少がヨード卵投与群では抑制されていた。
【考察】以上の結果より、ヨード卵には、糖負荷時の初期過血糖を抑制できるとともに、自然発症型の2型糖尿病モデル動物の糖尿病の発症時期を遅延させる可能性が示唆された。この作用機序の一つは、脂肪組織でのインスリン受容体を変化させることによって、糖利用能改善作用を示している可能性が示唆された。

「ヨード卵・光」摂取による抗加齢QOL共通問診票を用いた“ 体”と“心”への有用性評価(第2報)
○ 横山 次郎1)高橋 穂澄2)、日比野 佐和子2)、高橋 洋子2)、等々力 徹3)、米井 嘉一2)
1)日本農産工業㈱、2)同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、3)慶應義塾大学医学部
【目的】卵の中でもさまざまな機能性が研究されている「ヨード卵・光」を用い、ヒトを対象とした非対照オープン試験における“体の症状”と“心の症状”への効果を評価した。
【対象及び方法】被験者は男女104名(20歳代から50歳代)とし、「ヨード卵・光」を1日1個、12週間摂取し、摂取前後の状態を抗加齢QOL共通問診票で比較評価した。
【結果】摂取前と摂取12週間後で変化した“体の症状”と“心の症状”。
1)“体の症状”としては、全34項目中30項目に有意な改善が見られた。
改善項目は、例えば「目が疲れる」、「ふとりやすい」、「だるい」、「肌の不調」、「抜け毛」、「白髪」、「のぼせ」等であった。
2)“心の症状”では、全21項目中20項目に有意な改善が見られた。
例えば「いらいらする」、「意欲がわかない」、「幸せと感じない」、「日常生活が楽しくない」、「憂鬱」、「眠りが浅い」、「寝つきが悪い」等であった。
【結語】以上のことより、「ヨード卵・光」は抗加齢医学に基づいて有用な食品であることが示唆された。

「ヨード卵・光」の肝障害に対する有効性の検討
○ 横山 次郎1)、輪千 浩史2)、瀬山 義幸2)
1) 日本農産工業㈱、2)星薬科大学臨床化学教室
【目的】ヨード卵・光の、実験的肝障害に対する抑制作用を検討した。
【方法】1)急性肝障害モデル:エタノール投与で急性肝障害を誘発し、48時間後のAST、ALT値を比較した。
2)慢性肝障害モデル(肝線維化モデル):エタノールと四塩化炭素で慢性肝障害を誘発し、各種mRNAの発現を測定した。
【結果】1)急性肝障害で上昇したASTおよびALT値は、ヨード卵群(p<0.05)、ヒト胎盤エキス群(陽性対象)で有意に低下した。
2)慢性肝障害で上昇したⅠ型collagenとⅣ型collagenの遺伝子発現のうち、ヨード卵群は中心静脈域の線維化の指標であるⅣ型collagenの発現を有意(p<0.05)に抑制し、肝臓の線維化の担当細胞であるSatellite cell(星細胞)の分化マーカーのSM22αの発現も有意(p<0.01)に抑制した。この時、ヒト胎盤エキス群も同様の傾向を示したが、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx1)の発現の有意な上昇(p<0.05)と、グルタチオン(GSH)の発現の上昇傾向はヨード卵群特有の現象であった。
【結語】以上の結果より、ヨード卵には急性肝障害抑制作用と、慢性の場合には肝臓の線維化を抑制することにより、肝機能の保全に有効である可能性が示唆された。

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