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リンゴポリフェノール

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「活性酸素消去で抗加齢 ポリフェノールで寿命も延びる?!
「リンゴポリフェノール」

活性酸素を消去する天然素材のポリフェノール

どうして老化現象が起こるのでしょう?――老化がどのように起こっているかを調べると、細胞内に発生する活性酸素が大きな原因のひとつであることがわかります。活性酸素がミトコンドリアの中に発生し、細胞にダメージを与えることで老化現象が起こるのです。もちろん、この活性酸素を消去する酵素も生物の体内には存在し、活性酸素と常に戦っているのですが、食品を摂取したり運動をしたりする度に、体内で活性酸素が発生するため酵素の働きが追いつかず、細胞は傷つけられて老化現象が進むわけです。
つまりはこの活性酸素を消去する酵素を、体の中に増やすことができ、活性酸素の働きを弱めることができれば、細胞レベルで老化を防ぐことができるわけです。

活性酸素の働きを抑えるのが抗酸化物質。赤ワインや緑茶、チョコレートなどに抗酸化物質のポリフェノールが含まれています。そして、いま、ポピュラーな果物「リンゴ」にもポリフェノールの一種、リンゴポリフェノールの働きが注目されています。ヨーロッパでは”1日1個のリンゴが医者を遠ざける“とも言われており、身体にいい果物として世界的に馴染み深い果物です。

オスで29%、メスでは72%の驚異的な寿命延伸率

リンゴから抽出された天然素材のリンゴポリフェノールは、プロシアニジンを主成分とするもので、緑茶にも含まれるカテキンがいくつかつながった分子構造をしています。このリンゴポリフェノールに、寿命を延ばす効果があるということが、このほどマウス実験により確認されたのです。

実験はまず、リンゴポリフェノールの活性酸素に対する働きを調べるために、特別なマウスを使って行われました。そのマウスは、実験のために心筋で発生する活性酸素の一種「スーパーオキサイド」を消去することができないマウスを使いました。活性酸素の消去ができないこのマウスは、そのまま放っておくと心臓のポンプ機能が低下し、平均4~5ヶ月で死んでしまいます。通常のマウスが平均2~3年の寿命を持っていますので、それと比較してかなり寿命が短くなってしまうのです。

この特別なマウスを32匹(オス17匹、メス15匹)と23匹(オス10匹、メス13匹)に分け、32匹には、リンゴ果汁から精製したリンゴポリフェノールを0.1%配合した飲料水を自由摂取させて飼育し、もう一方の23匹はポリフェノールを含まない普通の水で飼育をしました。その結果、リンゴポリフェノールを摂取させたマウスの平均寿命は対象群に比べて、オスで29%、メスで72%も長くなっていたのです。

つまり、リンゴポリフェノールによって寿命が長くなったことが、この実験で証明されています。ただし、この実験に使用されたリンゴポリフェノールの量を人間に換算して摂取するなら、1日に5~10個のリンゴを食べなければなりません。さらにリンゴポリフェノールは、熟成する前のリンゴに豊富に含まれ、熟したリンゴでは少なくなります。従って、実験のような結果を生み出すには、ポリフェノール成分のみを抽出したサプリメントなどでの摂取が必要になるでしょう。
リンゴポリフェノールの主成分であるプロシアニジンにはこのほか、シミや色素沈着の原因となるメラノサイトの生成を抑制する作用もあるということが、培養細胞実験で確認されています。また、脂肪低減やコレステロール低減の効果なども注目されており、このリンゴポリフェノールを含むリンゴは、味覚だけでなくお肌や身体にも美味しい果物として、アンチエイジングの強い味方にもなりそうです。

甲斐 久美子(医療・美容ライター)

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