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「トウガラシに美肌効果:しわやたるみが減少」――ハセ博士のヘルシー情報最前線(141)

唐辛子の辛み成分「カプサイシン」を薄めて皮膚に塗ると、肌の弾力性が増す事が明らかになりました。

 これは、名古屋市立大大学院の岡嶋研二教授らが明らかにしたものです。

 研究では、まずマウスを用いた実験を行いました。
 マウスの皮膚にカプサイシン0.01%を含むクリームを塗ったところ、インスリン様成長因子IGF―1の増加を促す、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ぺブチド)という物質が、神経末端から放出されることがわかりました。

 このIGF―1は細胞を活性化し、肌の老化を防ぐ働きを持つことが知られています。
 そこで次に、このクリームを健康な女性17人に1週間、毎日1回顔に塗ってもらったところ、肌が引き締まり、しわやたるみも減ったそうです。

 研究チームの換算では、肌年齢が10歳若返ったことになるのだそうです。
 同教授は製薬会社と共同で、この成分を含む化粧品の開発を進めており、早ければ今年中にも商品化されるということです。

 さて、唐辛子ダイエットを行っている人が多くいます。
 “カプサイシンが脂肪をメラメラ燃やす”というイメージから人気だそうですが、カプサイシンが直接脂肪をエネルギーに変えているわけではありません。
 今回の岡島教授の結果と同様に、カプサイシンの辛味成分が神経を刺激して、エネルギー代謝を活性化するホルモンを分泌させ、体脂肪が分解しやすい状態とさせるからなのです。

 唐辛子ダイエットと、バッグに唐辛子を忍ばせて何にでもかけて食べてはいませんか?
 辛さ自体が重要なわけではありませんよ。
 胃腸の弱い方では、胃の粘膜も痛めてしまう恐れもありますので、注意が必要です。

 また、トウガラシ成分をそのまま皮膚に塗ったりすると、皮膚がただれたり、炎症がおこったりします。因幡の白兎(いなばのしろウサギ)になりますので、ご注意を!

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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