いびき予防――ハセ博士のヘルシー情報最前線（90）

　いびきで悩んでいる人は大変多いようです。この私もそのうちの一人で、家族全員からいつも文句を言われます。

　いびきは単に他人に迷惑をかけるだけでなく、睡眠時の呼吸停止を伴い、死に直結する場合もある睡眠時無呼吸症候群などの危険な症状のひとつでもあります。しかし残念なことに、いびきの治療法にはこれといったものがありません。

　今回、サプリメントとして人気のコエンザイムQ－10がいびきの抑制に有効である可能性が報告されましたので、お知らせします。

　これは郡山市にある太田綜合病院睡眠センターの高崎雄司センター長らの研究グループの研究で分かったもので、医学専門誌である『薬理と臨床』（医薬出版、2006, 2/15）に掲載されています。

　研究では、いびきで悩んでいる人に活性化コエンザイムQ-10「イビキノン」を投与し、その効果を調べました。

　その結果、多くの人でいびきの音が小さくなったそうです。また、睡眠感や起床時の爽快感、のどの詰まり感などの改善も認められました。

　しかし、いびきは眠りの深さや姿勢、のどの状態などで変化するそうで、今のところCoQ－10の服用の効果が表れたとは断定できないということです。

　今後さらに臨床実験を続けて、その効果を明らかにしたいとされていますが、いびきをかくと眠りが浅くなって、翌日にその疲れ（？）が残ります。家族に言われるまでもなく、いびきを抑えたいのは山々なので、一日も早くその効果を明らかにしていただきたいと願っています。

ハセ博士＝薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している